ほぼ足りてまだ欲 その先

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邦楽ジョッキー

 NHK-FMの長寿番組。今の担当は市川笑三郎。邦楽の世界はいまやラジオ・テレビではほぼNHK以外に番組を持つ局は絶無といっても良いのではないか。ほとんど思いつかない。かくいう自分もつい最近までは全く興味がなかった。死んだおふくろが良く出かけていた芝居見物やら、良く流しながら裁縫をしていた浄瑠璃のラジオ放送やら、なんだかやたら顔のでかい女形(先代の歌右衛門のことだけれども)がでてくる、歌舞伎のテレビ番組とか、全く興味がなかった。お笑いネタのひとつで女形の台詞回しを遊んだことくらいだっただろうか。
 ところがこの番組は猿之助(今更考えてみると変な名前だなぁ。歌舞伎の世界で「猿」なんだから)歌舞伎の若手女形(1970年生まれ)・笑三郎が、今日なんてやれジャガイモはなんでこういう名前なんだとか、といった話を女形セリフを交えて云ったりするんである。ちょっと変わってんなぁ、である。この番組が四半世紀続いているというのも驚いちゃうのだ。
 そういえばFMではこのほかに「邦楽のひととき」という番組がある。基本的には早朝の番組のようだが再放送は午前中だったろうか。長唄や小唄なんてところばかりではなく、琵琶とか、箏曲なんというものも演奏されて恥ずかしながら日本人でいながらこうした伝統を知らなかったことに驚く。「邦楽百番」という番組は土曜日の朝。日曜日の朝7:15からは「能楽鑑賞」という番組がある。
 この他に話芸の番組は結構多くて、NHKにはこれだけでも視聴料を払うだけの価値があるなぁと最近思う。昔、NHKが大げさなホールを造り、タイミング良く視聴料を上げたことがあって、その当時は料金徴収に来られた方に「NHKの視聴料の使い方に異論があるので、お支払いはできない」旨申し上げ、2-3年の間不払い運動をしていたことがある。例の自民党のおぼっちゃま連が番組にケチをつけた時に逡巡したが、今ではバイアスはバイアスとして意識の中で除外しながらそのコストパフォーマンスの高さを享受しているといっても良いだろう。