ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

NTV

 「NNNドキュメント’08」は「活断層の警告 揺らぐ原発の安全審査」と題して、柏崎刈羽原子力発電所の話である。昨年の新潟県中越地震でその存在について大きな疑問を持たれている東京電力刈羽電発は今各施設の点検を行っているが、東京電力は年明けにも稼働させる予定でその作業を行っているのだと、番組が明らかにした。しかし、国が東京電力に対して建設を認可した際の活断層に対する取り組みは明らかに無視していたことが証言され、その後明らかになった活断層にもかかわらず、拡大工事は全く影響されずに進められてきた。現在でも活断層についての議論は続いているにもかかわらず年明けに再稼働に踏み切ろうとしている東京電力の姿勢を私たちはそのまま受け入れて良いのか、という点についての疑問は疑問を持つだけでは終わらないのだ。なにしろこの施設は破壊されてしまったらそれから先、その施設に反対していようが賛成していようが同じように幾世代にもわたって大きな影響を与えてしまうことが分かっているからである。
 あの地震を引き起こした活断層が、どこからどこまでどれほどの規模で存在しているのか、そしていつその活断層に地形の変化、つまり地震を引き起こす動きが起こるのかはわからないし、それを科学的に証明するということは今、この時点ではほぼ不可能だろう。しかし、不可能だから、その危険性を無視して良い、ということにはならない。そしてこの時点では分からないのだからしょうがないだろうと発言するのは科学者としてははなはだ政治的なスタンスだという他はない。東京工業大学大学院の先生という方が番組中にしている発言はとても科学者とは思えない。
 東京電力がしきりにクリーン・エネルギーといって宣伝している原子力発電に対する彼らのスタンスはこんなものなのだから、彼らをそのまま信じてはやはりまずいのではないだろうか。そしてそれの宣伝に取り組んでいる漫画家、弘兼憲史は責任を認識していただきたい。