ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

ずるさの歴史を重ねる

 海賊を退治しに外国へ軍隊を派遣している。そこを通るうちの船がやられちゃうからだ。新しい法律を作ってうちの軍隊がそこに出かけることができるようにしようと自民党公明党は国会で国籍法がどうだこうだといわれた時よりも素早くというか電光石火の早業で採決して参議院に送り込む。
 肝心のその軍隊はわが家の憲法では私たちは持たないぞと心に決めている。その「持たないはず」の軍隊を派遣するための法律ってのはなんだかおかしくて、それは二重にその憲法を犯しているというのは明確だ。挙げ句の果てに飛行機まで送り込むことになるらしい。そうするとその飛行機はずっと空を飛んでいるわけにはいかないからどこかに降りて必要なものを補給してまた飛ぶわけだけれども、それを外国に使わして欲しいといっているんだそうだ。
 もうすぐに憲法記念日というのが来るんだけれど、この日に記念してもらえている「憲法」ってのは実はこんな具合にボロボロな扱いを受けていてそれができた時にすでに政府与党を構成していた人たちの息を継いで、二世やら三世やらという議員がたくさんいるグループの人たちが土足で蹂躙という言葉がぴったりな様子で踏みにじっている。
 彼らはこんな近代国家だっちゅうに右手に飛び道具を持たないで不良国家と対峙するのは馬鹿だといっている。この国を永遠に武装解除させておくために米国に押しつけられたに過ぎないんだからそんなものは熨斗をつけてお返しして原爆だって持てば良いんだといっている。間違った憲法だといっているわけだ。なるほど、彼らが創った高齢者を介護する法律が不十分なのはあの憲法を無視して作っているからなんだなと納得がいく。強い奴が勝てる手だてである労働報酬の搾取を保障した労働者派遣法ってのも、そのいいかげんだといわれる憲法の、え〜っと、25条?そうそう、それをただ単に踏みにじっただけなんだな。
 じゃ、あの不良国家がうちに攻めてきたらどうするんだ、見ろ!あいつらは核兵器を作っているじゃないか!
 そうやって煽っていくと一体誰が得をするんだろう。米国から押しつけられた憲法だからそんなものは要らないというと、一度構築した戦後のうちの社会を一旦ゼロに戻すところからやるかね?
 信念として、「武器は要らないぞ!」は誇らしくはないかな?私たちはこういう信念を持ったんじゃなかったっけ?あの時代はいいたいこともいえなかったから、はいはい!といったけれど、実は嫌で嫌でしょうがなかったんだろうか。そんな押しつけられていやいや決められちゃった憲法国民の祝日にしてしまったわけか。じゃ、こんなものを記念するのはやめよう!としたらどうか。
 私は幼心に「私たちは二度と戦争をしないために武器なんか持たないぞ!」を聞かされたときにとても誇らしかったなぁ。それでもあの自衛隊ってのはなんだ?と思ったけれど。
 尤も「鬼畜米英!」「進め一億火の玉だ!」と聞かされたのも幼心には多分誇らしかったんだろうなぁ。
 抵抗力を持たない国を武器で脅かすのには勇気が要る。いるけれどそれは蛮勇という。幾ら不良でも、世界中が知っているその高潔な存在を拳銃で撃つのはそう簡単じゃない。でも、そいつがそう口にしながら後ろ手に拳銃を持っているのを知っていたらハナから撃つ気満々だろう。
 あぁ、宣戦布告が遅れて撃ってしまったあの時がつくづく残念だ。あれがいつまでもずる賢い国という概念を植え付けてしまった源だ。それをこんなに長いこと掛けて鉄砲を持たない国という概念を作ってきたというのに、もう誰もそんなこと信用してくれないか。なぁにどうせ信用されないんだから原爆持てばいいじゃないかというのは「居直り」というのだな、これは。
 現実主義というのは性悪説なんだな。その割にこの国の良き伝統ってのは性善説に基づいていたんだと思っていたんだけれどなぁ。なんだか良くわからなくなってきたなぁ。