ほぼ足りてまだ欲 その先

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本末転倒

 自民党安倍晋三も日本記者クラブ党首討論でもいっていたし、昨日の「朝生」をちらっと見た時に、あの世耕弘成も「よしきた!」といわんばかりにいっていた。
 日本の自衛隊は外国からは「軍隊」と見られているのにも拘わらず、国内では憲法9条があるばかりに「認められていないもの」として認識されていないのはおかしいじゃないか。外国で軍隊として認識されているんだから国内でも認めることにしたらいい、というのだ。
 どこかおかしくないか?なんか、騙されているような気がしないか?
 騙されているんだよ。
 憲法第99条を無視しているんだ。

憲法第99条【憲法尊重擁護の義務】天皇または摂政および国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

 彼らが尊重しているのは自衛隊という憲法に違反して構築されている軍隊のことで、全く憲法の精神を尊重しているとは言い難い。そもそも憲法の精神そのものを理解していないのだ。彼らの論拠はこの憲法が「GHQから押しつけられたもの」だからだというのである。あの時の前後の事情を説明しているのかという点は大いに疑問である。当時の日本政府が検討していたのは明治憲法にほんのわずかに手を加えただけのものだったことは間違いがない。それ以上に民主的な憲法を考えるという力も、発想もなかった。しかし、在野の研究者達が検討していた憲法草案には現憲法に近かったものがあったことが既に知られている。
 しかも、日本の国民は1946年11月3日に公布され、1947年5月3日から施行されて以来65年間守り続けてきた。そこに大きな意味がある。
 では、米国がソ連との覇権争いで東西冷戦が続いたおかげ、朝鮮戦争が起きたおかげで米国から押しつけられた警察予備隊の存在そのものは撤回しないのかといいたい。押しつけられたものだから止めるべきではないのか。既にそこで自己矛盾を起こしているのである。
 外から「軍隊」として認められているから国内でもそうするべきだというのは実に乱暴な論理で、粗雑な、思想のない乱暴者の倫理観でしかない。ぶっ飛ばせという解決法をとろうとするものだ。
 昔から喧嘩で誰かをぼっこぼこにしたという話が好きな奴というのは必ずいる。