ほぼ足りてまだ欲 その先

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タイプライター

 1970年代にIBMが画期的なタイプライターを販売した。それがWheelwriterというやつで、それまでのOLIVETTIとかSmith Corona、Remington、Underwoodなんてメーカーのタイプライターは棒の先についた活字が紙を叩いて印字していたが、これはボールの表面に活字が刻印してあってこれがくるくる回りながら紙を叩く。それまでのものと異なって印字がとても綺麗に仕上がる。しかも間違って消す時も修正テープを使って同じように打つと綺麗さっぱりインクをはぎ取っていく。
 このタイプを初めて見た時はそれこそびっくりしたものだ。私がいた職場にこいつがやってきたのは多分1973年頃だったような気がする。とても高いもので、多分一台百万円くらいしたんじゃないだろうか。暫くは提供品だったのだけれど、一度使い出したら止められない。多分販売会社の戦略にウマウマと乗ってしまったのではないだろうか。これは音も静かで使い心地がたまらなく良かった。
 IBMの5550というパソコンを使ってワードプロセッサーを使い始めたのは多分1983年頃のことではないかと思う。初めて原稿をこのワープロで書いて渡した時にびっくりされた記憶がある。「これじゃ手が入れにくいなぁ」といわれた。この間丁度10年くらいである。ここから先、和文も英文もタイプライターの出番がどんどん狭まっていった。1980年代の終わり頃には各部にワープロ専用機があちこちにおかれていた。
 あのIBMのWheelwriterはそう考えると随分短命だったんだろうなぁと思って念のためと思ってちょっと検索してみたらなんと今でも販売しているお店がある。今時あのタイプライターを一体、何のために使っているんだろう。