NHKは昨日ETV特集「戦争とラジオ(2)日米電波戦争」を再放送した。最初にこれが放送された今年の8月23日には録画し損なって大いに焦り、再放送情報を待ったけれど全くなく、しょうがないと泣く泣くオンデマンドで金を払って見たけれど、あれは一週間しか見られない。しかもダウンロードできない。その一週間にテキスト化したという始末。昨日の放送は全くチェックしていなくて、音声だけでしか聴くことができなかった。しかも眠気が襲いかかっていた時であまり記憶に残っていない。
しかし、前回は気がつかなかったことに気がついた。米国は当時西海岸沿いに暮らしていた日本人および日系人を強制収容したことは誰でもが知っていることである。一番最初に開設されたアリゾナ州のPoston収容所では当時の日本軍が宣撫放送として短波で流していたラヂオ東京の放送をキャッチしてそれを密かに収容所内で文字にして流していたというのだ。
条件が全く同じだったとしたら米軍将兵を対象にしたゼロアワーも同じく収容所で聴くことができたのではなかったのだろうか。とすれば、そうした人たちの間では、戦後「東京ローズ」だとして国家反逆罪に問われて服役したアイバ戸栗ダキノを含む女性たちの放送だって、日本人・日系人によって聞かれていた可能性だってあるはずだ。
そうすると日系二世たちで組織された日系アメリカ人市民連盟(Japan American Citizens League、JACL)が彼女の裁判中には忌み嫌うように全く無視したという関係についてどう理解するべきなのかについて疑問が湧く、ということなのだ。ただし、JACLは彼女の特赦に向けては、彼女を支援したのだということはドウス昌代が彼女の著書で書いている。しかし、彼女の裁判が決着し収監されてもJACLは全くなんの支援もしなかったことだけは確かなようで、その関係について誰かが何かを書いていないのかを探してみようかとも思う。