ほぼ足りてまだ欲 その先

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日本の零落

 ここまで放射線で汚染されてしまった国となった日本がこれから先どうなっていくのかと考えると、それは零落しか考えられない。というのにはいくつかの条件があって、その最たるものは未だに福島第一原子力発電所が放出する放射線が停まっていないという事実にある。今、福島第一のうち1号機から4号機までの放射線拡散はシャット・アウトできているのかといったらそうではない。その上、あの破壊されてしまっている建屋の中には格納容器内にも、使用済み核燃料貯蔵プールにも何千本もの燃料が置かれたままになっている。つまり、地震津波から始まった福島第一の事件は未だに進展中だということだ。コントロールできていないという点が重要だ。
 それなのに、「除染」と称して表土をはがして埋めれば大丈夫だ、といっているわけだけれど、それが際限もなく隅々まで汚染物質を集めることができると思っているのだとしたら、そんな傲慢な考え方は許されないだろう。誰もがやってみたらいい。庭の表土を総べて剥がすということがどれほどの作業になるのかやってみたら良い。で、それを終わったら、上を見上げてみて欲しい。横の杉の木を見上げたら、その木に降り積もった放射能汚染物質はどうやって払い落とすのか考えて欲しい。電柱やら、そこに繋がっている電線の一本一本にも放射能汚染物質がくっついているはずだけれど、それはどうするというのか。
 神社の鳥居の上にも載っている汚染物質はどうするのか、お寺の大屋根の上はどうするのか。集めて埋めることなんてできるのか?海に拡散してしまった汚染物質は沈んでいって海底に溜まるだろう。これをどうするのか。
 実態を自国の国民に知らさずに他の原発のストレス・テストの評価をどんどんして再稼働にふみきることができるようにしようというのが、経済産業省を初めとした政府・財界側の姿勢だというのはこれまでの動きを見ているとわかる。国内ではそれほど深刻な問題ではないとしているけれど、海外ではとんでもない状況になっているとあちこちで語られている様子がtwitterを読んでいるとよくわかる。
 これでは海外から相手にされないだけでなくて、なにもコントロールできていない日本政府に対する非難がこれから先、増えていくことは容易に想像がつく。それが何を意味するのかといったら、世界的レベルでの非難の的になるということなのだ。そこを理解していない政治家、経営者はあまりにも近視眼的であって想像力に大いに欠けているということができるだろう。これではこの国はどこにいくのかといったら、どんどん低下していくことになるだろう。
 こんな時点で法人税を下げないと外国に出て行くといっている財界があるようだけれど、彼らはこの先、福島第一原発の処置にとんでもない時間と費用がかかることを知ると、さっさと外に出ていくだろう。そして、彼らこそが真っ先にこの国を捨てることになるだろう。
 私達が考えなくてはならないのは、そんな連中に遠慮してやられ放題にしておく必要はないということだ。