ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

 中村勘三郎がやっぱり回復できなくて死んだ。57歳。早い。やり手だった。滑稽ものが得意だった。おやじを超えていたといっても良いかも知れないが、やっぱり私の中ではあの先代があって、その上に勘三郎が乗っていたという気がしていた。だから、いつまで経っても「勘九郎」だった。そういう意味では彼は先代に対して常に挑戦し続けていたのかも知れない。それだけ先代は大きな存在だった。それはエンターテインメントの世界での活躍の場の違いもあったかも知れない。
 二人の息子が伸びていっているのがせめてものことだろうか。
 歌舞伎の世界は一種異様な世界だけれど、日本人の心に染みついているのかも知れない。この歳になるまで歌舞伎に対しては全く興味もなかったし、ようやく面白いなと思うようになって彼のやっていることがわかってきたような気がする。
 私にとってはオペラも同じで、人間が様々なことを経験してようやく到達する世界というものがあるような気がしないでもない。