ほぼ足りてまだ欲 その先

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不思議

 様々なところで、何かを申し込んだりするときに個人情報を書き込むことを要求されるのだけれど、職業欄で迷う。もはや就業している「職業」がないからだ。アニメ映画の監督作業をやってきた人が引退したといっていたけれど、彼は職業欄になんと書くのだろうか。
 外国に行くとoccupationの欄にretiredとか、pensionerとかという選択肢があったりする。日本では殆どそれに該当する選択肢が書かれていることは滅多にないと前にも書いた。概ね、その他か無職を選択することになる。
 私はそれまで所属していた会社を辞めてからは学生をやったり、非正規従業員(アルバイト)をしたりしていた。会社で仕事をしていた時はその仕事を通して収入を得ていたので、如何にして収入を得るかという点について世の中の仕組みを考えていた。
 しかし、会社を辞して以降は人間が生きていく上で必要なフェアネスを成り立たせる為には何を考えればよいのかという観点で世の中の仕組みを考えてきた。
 だから、時としてそれまでの価値観と、その後の価値観が大きく乖離する事態を招くことになる。それは素としての人間に還る、ということでもある。人間としてのフェアネスと社会の仕組みの中の存在としてのフェアネスの違いといっても良いかもしれない。
 それを風見鶏というのかも知れないし、日和見というのかも知れないけれど、基本に還るということなのかも知れない。
 往々にして、人はかつて所属した世界での価値観から脱却できない。永年にわたってその価値観に埋没してきたのだから当然なのかも知れないけれど、ある日立ちどまってよく考えてみる、というのも必要なことなのだ。