ほぼ足りてまだ欲 その先

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若者に

 親心からいったら、少しでも安定した、少しでも先の見える、少しでもホットできる道を子どもが選択してくれたら安心なのだけれど、今時の世の中はそんなに簡単じゃない。いつの時代でもそうなんだけれど、親ってのは「全く」なんである。
 今様々なところでブラック企業という言葉が語られるし、今や働いている若者の4人に一人は自分がブラック企業で働いていると認識しているんだという数字が出ていたりする。しかし、それが本当に「ブラック企業」というカテゴリーに入るものなのかどうか、という点についていうとはなはだ心許ないというのが親の気持ちではないだろうか。
 それはただ忍耐が足りないってことじゃないのか、俺たちがガキの頃はこんなに大変な経験をしているしなぁということが頭をよぎるというわけだろう。
 しかしながらだけれど、社会全体のバックグラウンドそのものが全く違っている。20代前半の会社員がいくら金がなかったとしても、その先に金が入ってくるだろうという読みがある時代にはそんなのはどうでも大丈夫だった。きっと収入が確約されていたのだから。
 でも今はそうはいかない。企業は政府と結託してどんどん労働環境を劣悪化しようとしているし、将来を保証してしっかり働いて貰うという思想の中にいない。今さえ良ければ、労働者から搾り取っても誰もそれを責める訳じゃないし、組合が猛烈抗議をしてストライキに突入するなんてことも全くないのだから。
 若者たちに「そんなところほじったって生き残れるのはほんの少しなんだぞ」という前にそれじゃ安心して働くことができるシステムを作らなきゃ、それは無責任そのものではないのか。