ほぼ足りてまだ欲 その先

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本気じゃない

 私たちの国は社会保障制度は飾りだと思っている政治家たちが牛耳っているらしい。なにしろ彼らにアサインされた審議会の委員たちの中に時々、いわゆる福祉の専門家であるにもかかわらず「経済の発展があって初めて福祉の制度が動く」と主張するまがい物が平気でいるくらいなので、ひとりひとりの国民を助ける制度、手段として機能していようがいまいがいっかな平気の平左でいる。
 それを、理想を見失ってしまった国民がバカにする社民党共産党が、国会でこんな 例がある、あんな例がある、この現実をどうするつもりなのかと政府にたたみ掛けると、「個別のケースについてはお応えができないが、国民ひとりひとりが困らないように誠心誠意、心を込めて対応するべく、指導をしていく」というような精神論で終わらせて誰もそれに対して異を唱えないのが常識で、当然のやり方だと思わせられている。
 で、そう受け答えしている政府側には「福祉の党」だと主張する公明党の諸君も入っている。
 生活保護の「不正受給者がこれだけいる」キャンペーンをマスコミが一斉にやってきた。生活保護を貰ったら直ぐさま競輪に行ってすっている、直ぐさま酒に溺れている、直ぐさまパチンコにつぎ込んでいる、という話を、読者が「一体誰の金だと思っているのか!」と反応することまで予想して書いていると、読者は案の定それに乗って騒ぐ。ほとんどの人がそうじゃなくても、おかげで生活保護を貰っている連中はみんなそういう生活を送っている「怠け者」なんだと思っている。本当にそう信じ込んでいる。
 世の中は簡単だ。思い込ませるとこんなに簡単に反応する。鬼畜米英がわが国を経済的に封鎖することで孤立させてくるのだから、こっちから撃ってでて自分で切り開こう!といったら本当にそうだと思っている。簡単だ。そうじゃなかったと気がついてもそれから70年も経ったら、あの気づきそれ自体が間違っていたんだと気がつくことになるらしい。
 自分だけはお世話になることはないと思っている。簡単だなぁ、世の中は。そういう風潮の影で、認知症の母親と、そんなつれあいと心中しようとした人が救われることもなく消えていく。この現実のどこが誠心誠意なんだろうか。