男は本当は生まれながらの放浪者なんじゃなかろうか。仕組まれた旅はやっぱり面白くない。そりゃもちろん、自分でなんも分からんところを歩くのは、ちょっと面倒だ。どんな手段をとったら最も効率的で、得で、賢いものなのか、なんてことが解決できなかったとしても、そして嫌になることも、不安なことも、おっかないこともたくさんあるに違いないとしても、それでも、その方がネタはたくさんできる。そしてその方が絶対に面白いし、記憶に残る。
スムースに何の心配も苦労もつらいことがなくて通り過ぎたって、それがいったいなんだってんだ、という気になるのが面白い、ってことじゃないかという気がする。
それが本当の贅沢ってことだろうという気がするんだなぁ。
だから、男は本来的に放浪者なんだよ。