ほぼ足りてまだ欲 その先

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中帰連

 正式名称を中国帰還者連絡会という。中国の撫順戦犯管理所に戦争犯罪人として抑留された旧日本軍の軍人が帰国後の1957年9月24日に結成した団体。1950年7月にシベリアから969人が送られたという。一方「太原戦犯管理所」には国民党に頼まれて残り、八路軍と戦って破れ、投降した人たちが収容されます。彼らは戦争が終わって以降約10年にわたってとらわれの身だったことになります。しかし、彼らは戦争中にしてきたことを手記にして残し、中国政府が彼らを憎まず、悪かったのは時の日本政府なのだという論点で決着させます。そして彼らの手記が残りました。
 しかし、彼らの手記にはなんの検証もされていないのだとして、「洗脳」の結果書かされたものだとする動きが直後からある。
 今やその論調の方が大半を占めている。しかし、逆にいえばそれを「洗脳」だと断定する側にもその「検証」はなされてはいない。
 しかし、これまでの40年間に4,000人を超える元兵士からヒヤリングをしてきた保阪正康は自らの著書の中で、実際に中帰連の一人の元兵士がいかなる心情でその後も活動をしてきたのかについてつまびらかにしている。一方、無事に復員してきた元憲兵お茶の水界隈の古書店を回って、強制労働に中国人を駆り立てたりした痕跡を抹消しようとしている動きについても触れている。
 こうした事実についても、私たちは繰り返して触れていかないと知らないうちになかったことにされかねない。

戦場体験者 沈黙の記録 (単行本)

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