ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

テレビ

 うちの息子がまだ屈託なかった頃、つまり小学生の頃のことだけれど、彼は小学校の体育館を借りて開かれている剣道に通っていた。区の大会では負けちゃったり、決勝までいったりしていたのだけれど、そこには近所の、つまり同じ小学校の歳上の子も歳下の子も来ていた。
 先日近所の銭湯がテレビに映ったとき、その風呂屋の受付に座っていたのが、息子の一年上の男の子だった。
 昔の銭湯は番台(この言葉ももうそろそろ忘れられてしまうんだろう)があって、息子とひとっ風呂浴びに行くと、その子のお母さんが登っていて、体育館で顔なじみなものだからこっちが気後れしたものだ。入る時にはすすっと入ってしまうけれど、上がるときには、そのお母さんがいると思うと、なかなか出る踏ん切りがつかなくて、えいやっと出てきたらその子のおじいちゃんが番台にいて「言づかってますから、牛乳をどうぞ」といわれ、大変に恐縮したことを思い出した。
 14-5年前だったか、卒業する学生を数人連れて界隈を歩く会をやったときに、暖簾を出して1時間後くらいにその銭湯に連れて行くと、湯船の中にモンモンをしょったお爺さんがひとり入っていて、かれらがびびったのも思い出す。あれが若いわけのわからん奴だったら私もびびっただろうが、すっかり寂れ果てたお爺さんだったから、気にならなかった。そろそろ自分もあの爺さんの歳に近づいてきた。