ほぼ足りてまだ欲 その先

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ブーイング

 バスケットボールのBリーグの二年目が始まりました。昨シーズンは田臥勇太を擁するリンク栃木ブレックスが優勝してBリーグ初年度にふさわしい優勝チームだったと思っています。あれが元日本リーグの大企業チームが母体になっているチームだったら、興ざめでしたが、日本のバスケットボール史上、もっとも語られるべき田臥を擁したチームだったことは本当に良かったと思いました。リンク栃木ブレックスの登場は私にとってはとても意外でした。栃木が強いのは古河鉱業のアイスホッケーくらいだと思っていたからです。元はといえば大塚商会が母体だったらしいというくらいしか知りません。
 しかし、Bリーグも二年目ですが、これでチームが巧く回るのか、経済効果が生まれてきているんだろうかという点はかなり心配です。上手くいって欲しいと願っているのですが。
 ところでCSが中継しているBリーグの試合をテレビで見ていて、隔世の感を強くしたことがあります。それはフリースローなんです。ビジターチームのスロー場面になると、会場全部がブーイングをします!それはそれはものすごいブーイングです。
 30年ほど前の代々木第二体育館でのJBLの試合で、私が応援しているチームの相手に池内という着実に得点を重ねるポイントゲッターがいて、彼がスローに立つ度に私は口の周りに手をメガホンにしてブーイングをしていました。もちろん相手にボールが渡ると、大きな声で「ディッフェンス!」と叫んでいました。
 多分試合には勝ったと思うのですが、試合後、出口に向かっていると、後ろから呼び止められました。誰だと思ったら見たこともないふたりの女子中学生です。当時私は40代前半です。「スローの時、ブーイングするのは止めて下さい!」と彼女たちは衆人環視の中で私にそういったんです。それはそれは義憤に駆られた、多分義侠心をもった思い切った行為だったのでしょう。フェアネスにももとる!という気持ちだったのでしょうねぇ。
 当時、テレビで録画中継していたNBAのゲームを私は常に見ていましたから、なにを世間知らずなことをいってんだ、そんなことをいっているからいつまで経っても日本のバスケットボールは昔の名声を取り戻せないんだぞ!といいたいところでしたが、彼女たちの真摯な気持ちもわからないでもありません。「NBAを見たりしてごらん」といっただけで別れました。決して「申し訳ない」なんていいません。井の中の蛙を広い世間に見せてあげなくては、という思いを強くしました。
 しかし、日本のバスケットボール連盟は世の中を見る目を持ち得ませんでした。大企業のエゴに勝てずにだらだらといい加減な運営を続けたのです。
 その意味でも昨年は画期的な年でした。しかし、まだまだ、定着したとは言いがたいのです。ラグビーがW杯のあの勝利で一気に取り返したポジションにはとても追いつけていません。それまでラグビーだってあぁだからと思っていましたけれど、水をあけられてしまいました。
 その意味では30年かけて、ようやくここまでやってきたBリーグが定着して欲しいとは思うのですが、今ひとつの感は未だ払拭できるところまでやってきません。田臥以外にもテレビに呼ばれるような選手の出現が待たれます。