昨夜早く、20時半には寝てしまったら、案の定、0時前に目が覚めた。当然だ、大体3時間半で一度は目が覚める。問題はこれからだ。明け方5時くらいに朝飯を食べてしまって、午前11時くらいまで寝てしまう。しかしながら、今日はこれからSUPER BOWLがある。日本時間朝の8時からだから、多分いつも二度寝の時間に相当する。こりゃ、まずいことになったなぁと思いながらもおもむろにテレビを付けた。
午前0時からWOWOWで「ローマンという名の男 -信念の行方」というデンゼル・ワシントンの映画が始まった。原題は「Roman J. Israel, Esq.」といってバリバリの市民運動擁護派の黒人弁護士の話。2017年の作品。ちなみにEsquireは弁護士の名前の後ろにつける。つまりこのタイトルは弁護士の名前そのもの。聞いたことがない映画だけれど、最近私は映画を見に行かないから知らないだけだと思ったら、日本では公開されていない。
UC Barkley出身で、当時の教授とパートナーを組んで儲からない人権擁護弁護をする。この映画で最も重要なテーマは、司法取引なんだなぁ。その蔓延が人権擁護の弊害になっていると主張している。うがった見方をすると、この映画が日本で公開されなかった理由のひとつに日本でも司法取引が取り入れられる間際だったことがあるかもしれない。
パートナーが死んでしまって、やっていけなくなった人権派弁護士がついに一時の迷いで、弁護を引き受けたコンビニ強盗容疑者から本当の射殺犯の居所を聴き、10万ドルの賞金に目が眩んで、密告。最後はその一味の手によって殺されてしまうんだけれど、たった5千ドルを使っただけの残りを返金し、自らを自らが訴える書類を書く。最初に出てくる文書が理解できないのがここで解き明かされる。
成功を収めた大法律事務所の弁護士、大学の同級生で、Roman J. Israelを雇ったGeorgeが、儲け主義から心機一転、Roman J. Israelが36年間をかけて作ってきた、司法取引の改訂を訴える訴状を、訴え出て終わる。
突っ込みが甘いのは時間の足りない映画だから仕方がないが、話は逆になってしまうけれど、これをドキュメントタッチの小説にしたら非常に面白いものになる可能性があると思う。そうすれば、「やっぱ社会派といったって、ハリウッドはハリウッドだよね」という声には対抗できるような気がする。