ほぼ足りてまだ欲 その先

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シングル・マザー

 世の中には母親の手ひとつで子どもを育てなくてはならない境遇にある人たちが相当いる。配偶者と死別した、という人もいるし、離婚したという人もいる。婚姻関係になった訳ではないけれど、ひとりで子どもを育てている人もいる。どの人も自分から喜んでそんな境遇になった人は非常に限られている。
 「運が悪かった」とか「自分でそうなるべくしたんだから」というようないわれ方をした人はたくさんいそうだ。離婚をしてから養育費をこつこつと提供している人の割合が低いらしいという推測はできるけれど、それで世の中終わってしまっている。そりゃもちろんそんな境遇になったのは結果的に自分の責任だといってしまえばそれまでかも知れないけれど、偶々巧い具合にそうならなかった人たちだって、それは「たまたま」のことで、ちょっとしたことでそれがそうでなかったかも知れないという想像はできる。
 そういう苦しい状況になっている家庭を支えることができるのが先進的な社会制度なんじゃないかという気がする。不利な立場に立っているひと、それが本人が望むと望まないとにかかわらず、を援助できるのが熟成した社会制度なのではないかと思う。
 この国の社会制度がそういう方向に向いているか、というと、それからはほど遠いといわざるを得ない。みんな綱を渡りながら暮らしてきている。偶々何かの偶然で暮らしやすい状況になっているに過ぎない。
 この先、そんな先進的、熟成社会制度にむかうことができるのだろうか。そのためにはなにが必要なのだろうか。誰もがごくごく普通の生活が送れるという社会はくるのか。