ほぼ足りてまだ欲 その先

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温泉

f:id:nsw2072:20200608230531j:plain:w360:left その昔、まだ、星野温泉があんなに「高級」を売り物にしていなかった頃、娘が生まれた頃だから、そろそろ40年近く前に、友人が住んでいた木造アパートに空き室があると聞いて、半年間の契約で借りて、女房子どもを行かせていた。保育園に行っていた息子も酷暑の東京の夏に、あせもができて苦しんでいたからと。
 当時は新幹線がまだできるまえのとても良い頃で、私は金曜日になると、仕事が終わってから、信越線で中軽井沢へ行き、日曜日の夜に東京へ戻ってくるという夏を送った。
 当時、星野温泉は千円でふたつの温泉に入ることができたけれど、一度こっちの風呂に入って、今度はあっちの風呂へ行く、という時は服を着なくちゃいけないので、そうはいかなかった。星野温泉旅館には泊まったことはないが、しょっちゅうお風呂には入りにいった。子どもたちは滑り台のある風呂を喜んだ。
 それがいつの年か、旅館の玄関に段ボールが出ていて、そこに什器が置かれていて、「ご自由にお持ち下さい」と書かれていた。それが星野温泉が旅館を辞めるんだということだった。なんだか慣れ親しんだものを、目の前でどこか遠くへ持っていかれてしまったかの如くだった。それ以来、もう全く星野と名のつくところに行ったことがない。
 まだ日帰り風呂をやっていた頃、あそこの風呂で中曽根康弘に遭遇したことがある。妙にごっつい兄ちゃん二人が入っていて、なんだろうと思ったら、お爺さんがひとりぽつねんと湯船につかっていた。

 今「強盗キャンペーン」なんて云っている場合じゃないだろう。やることやれよ。