ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

松元広人

 芸人「松元ヒロ」の本名である。元ニュースペーパーのメンバーで私は独り立ちしてからの彼は紀伊國屋ホールでしか見たことがない。彼の講演の切符を手に入れるのは至難の技である。講演自粛期間、どうしているんだろう。
 彼に密着したドキュメンタリーを彼の出身地、鹿児島の鹿児島テレビが作った。「テレビで会えない芸人」それを今朝未明のフジテレビ「FNSドキュメンタリー大賞」という番組の枠で放送した。午前3時50分からという、こんな時間の放送だから、どれだけの人が見ているのか、非常に疑問。しかし、フジテレビという媒体に松元ヒロが出てくるだけで、こりゃおったまげもんだろ?番組の中でも所々に彼のステージが出てくる。麻生太郎の物真似がフジテレビで放送されるだけで、もうこりゃ痛快そのものではないか。
 番組は渋谷の交差点で躊躇している視覚障害のある女性を松元ヒロが手助けするところから始まる。
 1952年生まれ。鹿児島実業高校出身、高校駅伝の最終区で区間賞を取った実績で法政大に入るも、アフロヘアーを批判されて喧嘩をして陸上部を退部。政治学科を卒業後、パントマイマーとなる。奥さん、俊子さんはその時の仲間である。「私がいなかったら今のあなたはいない」と言い放つ。あはは!いいね!永六輔立川談志には可愛がられた。
 ひと頃ドリフターズの舞台に出てきて、「うわぁ〜、きゃー!」とジャッキー・チェンみたいなキャラクターを演じていたすわ親治鹿児島実業の同級生だそうで、一緒にお笑いバンドをやっていたこともある。お笑いスタ誕に出ていたというんだけれど、これは全然記憶にない。
 良い番組だった。「FNSドキュメンタリー大賞」はフジテレビの贖罪番組だと私は思っている。「何をいってんだ、俺たちだってこんな番組やってんだぞ」というアリバイ作りのための枠だろう。だけれど地方テレビはここでジャーナリズムの片鱗を見せる。録画は欠かせない。

プロデューサー・四元良隆(鹿児島テレビ 制作部)コメント
「“不寛容な時代”と言われています。異質なモノ(意見)を攻撃し、排除する風潮。この社会を反映するかのように、今のテレビの世界にもその波は押し寄せています。少しでも、世の中と合わない意見や表現方法をすれば、すぐにバッシングにさらされ、取り除かれていく…。いつしか“批判されないようにする”ことが最優先になり、コンプライアンスの名の下、この流れは加速する一方です。結果、何となくモノが言いづらい社会になっているような気がします。そうした中、一人の芸人と出会いました。テレビではなかなか取り上げない話題をネタにしては“笑い”で不寛容な社会へ問いかけます。会場は満員、しかし、テレビでは会えません。“なぜなのか”、故郷のカメラが見続けました。そして“大切なコト”を教えてもらいました。テレビで会えない芸人が今の世の中へ贈るプレゼント、この先に、表現の自由、寛容な社会が待っていることを望むばかりです」