ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

ふと気がつくと

 散歩に出てふと気がつくと、いつも尻のポケットに入れているハンカチ代わりのてぬぐいがない。そうだ、洗濯かごに入れて補充するのを忘れていたんだ。ポカポカと暖かい日差しにかまけて、入れるのを忘れた。で、ふと考えると、根津に手ぬぐい屋があることを思い出した。根津らしいよね。足を踏み入れたら誰もいない。多分週末くらいしかお客さん来ないんだろう。「ごめんください」といいながら入ったらご主人らしき男性が顔を出した。
 猫をまるで松葉模様のようにたくさん描いたのがあったからそれを買った。出ようとすると文庫版ブックカバーと書いたのが目に入った。てぬぐい一枚のペラッペラだったら嫌だなぁと、分厚いのが入らなかったら嫌だな、と思ったがどっちの心配も要らなかった。逆に薄い文庫にカバーは要らない。

 図書館で本を返してから、ポカポカの陽気の中、不忍池に向かうが、いつもよりも早くついたような気がしたのは、やっぱり暖かかったからだろうか。池の周りにはいつもの平日の昼下がりよりも人がたくさん歩いている。やっぱり暖かくて、人が浮かれて出てきたのかなぁ。不思議でしょうがないのは、池の畔のベンチで餌をまいている人が増えていること。そして大分増えたカモメがあちこちで妙に群舞していること。ここのカモメは人がベンチでパンを食べていても、それを直接狙うってことをしない。鷺が二種類三羽ひょいひょいと動きながら餌を狙う。なかなか成功しない。
 池の蓮が立ち枯れていたものがすっかりなくなって池の畔に山積みになっている。蓮の実は山になっていて、どうぞお持ちくださいと書いてある。おばさんがしきりにためつすがめつしている。まるで八百屋の店先できゅうりを品定めしているみたいだ。あれから種を採って植えると育つのだろうか。

オオカンザクラ

 上野の山の麓にあるオオカンザクラの花がチラホラと咲きだしている。明日も温かいと云っているからもっと開くだろう。中華料理屋の蓬莱閣のシャッターが降りている。さすがにもう閉店なんだろうか。

 そうこうするうちにサイレンを鳴らして何台もの消防車が広小路の交差点めがけてやってくる。驚くことに横断歩道の信号が青になると歩行者が我先に渡りだし、消防車がやってくるのに平然と歩こうとする。さすがに消防車は速度を落とし、「ありがとうございます」なんぞとアナウンスしている。今どきの人たちは緊急車を優先するということを知らないのか。それにしてもどこからも煙は見えない。バスの中にノーマスクで二人分の座席を荷物をおいて占領しているバカ爺がいた。衣食が足りていないんだろう。

 スーパーの安くて薄くて小さいヒレカツを買ってきて、カツ丼にして昼飯にした。「衣」の方はもう昔からのものを飽きもせずに擦り切れるまで着ているが、「食」は概ねスーパーの惣菜で賄う。