横網町の被服廠では火災竜巻が起きて、逃げ込んだ人たちはその竜巻に巻かれて空中を飛んだという。
今年も都知事であるはずの小池百合子は、大震災後に殺された多くの朝鮮人被害者たちの慰霊祭に一本の慰霊の言葉も送らなかった。
あのレイシスト・石原慎太郎すら、送った慰霊文である。
森達也が作った映画の「福田村事件」の舞台は野田の福田村だ。
横浜方面から朝鮮人が大挙して東京へ向かっている、所々で井戸に毒を放り込んでいるというデマが走るように流れた。
横浜では青木橋近辺で何人もの朝鮮人が虐殺されている。私の産まれたところからそれほど離れていない。
官房長官の松野某は政府には記録にないと臆面もなくいったそうだが、もちろんそんなことはなくて、あちこちに報告書はある。
なんで、それをわざわざ「記録がないから知らない」というようなくだらない嘘をつくのか。
こういうことをすれば、歴史は抹殺できるとでも思っているんだろうか。
あまりにも愚かな政府で、ほとほと情けないというか、恥ずかしいというか、腹立たしいというか、憤懣の矛先を探してしまう。
2010年 新潮社
井上ひさしの最後の長編小説だという。イラストはもちろん山下勇三。
シベリア抑留を題材に取ったもので、最後の参考文献リストを見ると、井上ひさしの面目躍如である。
立花隆、井上ひさしはほぼ偏執狂的天才である。