ほぼ足りてまだ欲 その先

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NNN ドキュメント 2024

日本テレビのサイトには
「『NNNドキュメント』は1970年1月4日にスタートしたドキュメンタリー番組で「3分クッキング」「笑点」に続く、日本テレビでは3番目の長寿番組です。」と書かれている。

 半世紀を超えて続いている番組で、それだけで驚く。それにしてもキューピーの「3分クッキング」「笑点」がもっと続いているというのにも驚く。
しかし、なによりも『NNNドキュメント』に驚かされるのが、NNN、つまり読売新聞系列である日本テレビをはじめ民放ニュースネットワーク29社がつくっているということだ。何しろ読売新聞といったらあの正力松太郎が戦後引っ張ってきた、そしてその後渡辺恒雄が独裁を振るってきた思い切り右寄りの自民党全面つながりのグループであるということだ。その読売系というべきグループが唯一の良心の番組とでもいうようなドキュメントを毎週日曜日の夜中に放送している。多分視聴者は非常に限られるだろうし、見ている殆どの人は録画視聴者だろう。私もそうだ。

 10月13日に放送されたのは「キノコ雲の上と下~米兵の心に苦悩を刻んだヒロシマ~」という広島テレビが作った55分のものだった。当時生後8ヶ月の幼児だった被爆者の近藤紘子(こうこ)さんは教会の牧師の娘だった。戦後父親が子どもを連れて渡米した際に、テレビ番組に出演して、エノーラ・ゲイの副操縦士と対面した時、その副操縦士、Capt. Robert A. Lewisと対面した。彼女はあの爆弾を落としたアメリカ兵を憎んでいたけれど、そこで彼が流した涙と、「わたしたちはなんということをしたのか」という言葉にすべてを許した。悪いのは戦争なんだと。彼女はのちにアメリカの大学に進学し、被爆とその後の体験を人々に語ってきた。
 一方、Lewisは後に原爆ぐもの彫刻を残している。そこには「God's wind ?」と彫られている。

 Jacob Beserはレーダーの専門官で彼は広島に原爆を落としたエノーラ・ゲイ、そして3日後に長崎に落としたボックスカーの両方に登場した唯一の人間だ。2016年3月にはBeserの孫にあたるAri Beserが来日して日本記者クラブで会見を開いた。彼は2015年に"The Nuclear Family"を著している。