ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

銀座方面

 昼頃からポカポカと暖かい。つられて出かけた。午後遅くなると今度は冷たい北風が吹いてひやりとする。
 銀座の一丁目の高速の脇の道を日本航空のどれかの組合が、昭和通りの方から外堀通りに向かってぞろぞろとデモをしていた。その後ろにセンチュリーの黒塗りで白ナンバーの車がくっついていた。中央通りを私は京橋方向から四丁目に向かって歩く途中で、信号が青に変わったのに、そのセンチュリーが横断歩道上に停まった。横断に大いに邪魔だ。すると怒った歩行者の一人が窓に手をべたっと付けて手形を残した。するとその車の運転手らしき男が何を血迷ったか、車のシフトをパーキングに入れて飛び出してそいつを追いかけようとした。ところが彼が慌てたものだから、そのシフトがパーキングにならないでバックに入った状態で、彼は降りてしまい、車はアイドリング状況でバックを始めた。歩行者を後ろの車に挟みかねない。思わず「あぶねぇ〜!」と声を出すと、人々も「なんだ!」と叫ぶ。彼は慌てて車に戻って車を停める。その格好の悪さに自分をコントロールできなくなって、車を脇に寄せ、その手形をつけた男を追い越す振りで外に出る。そんなのわかりっこない。そして彼もうちひしがれた感じで車に戻り、出ていく。後には何事もなかったかの様な日常が残るが、あれで怪我人が出ていたらそれどころじゃない。ま、それにしてもそんな一部始終を立ち止まってみていたのは、私くらいのものだ、という事実に驚く。都会の人たちは本当に他人に興味を見せない。

映画

 スカラ座とみゆき座は東京宝塚劇場の地下にあって入口はひとつ。切符もぎりを超えてからあっちとこっちへ。元はといえばスカラ座1とスカラ座2だったからだろう。以前のみゆき座は東宝本社の地下にあって756席もあったけれど、今のみゆき座は183席しかない小さな小屋である。端っこの席しか空いていなかったのだけれど、これでも充分。主演はGeorge Clooney。あたかもダウ・ケミカルを彷彿とさせる様な"United North"というケミカル企業とその農薬被害を受けた農民との訴訟を軸に弁護士事務所を舞台にした、目を離せないサスペンス。面白かった。終わって出始めるとさすがに金曜日の13時の回だからお爺さん、お婆さんばっかりだ。みなさんシニアーで千円を堪能しているということだろうか。そうだとしたらとても嬉しい。こういう世代が満足できる様な完成度の高い映画をどんどん送り出して欲しいものだけれど、日本の映画産業はコストパフォーマンスを満足しない企画に飛びつく度胸を持っていないからなぁ。
 予告編を見ていると「スパイダーウィックの謎」「Bucket List(邦題:最高の人生の見つけ方)」「ナルニア国第2章」「Raise It Up(邦題:奇跡のシンフォニー)」あたりは見ておきたいなぁと思う。「インディ・ジョーンズ」もやっぱり見たくなるのかも知れないが、公開されてすぐに見ればまだしも、あっちでもこっちでも書かれてしまうともう見たくなくなる悪いクセが出てしまいそうな気がしないでもない。今年日本で公開される映画の中ではやはり私が期待しているのは「Into The Wild(邦題:荒野へ)」なのだ。実際に見たらどう思うか知れないが、今は心待ちにしている。

テレビの取材

 銀座の四丁目の角を曲がろうとしたらマイクを持った若い人が寄ってきて「TBSですが、ちょっと質問に答えて頂けないでしょうか」という。「なんの話なの?」とお伺いすると「光市殺人事件について質問に答えて頂くだけなんですが」という。くわばらくわばらと逃げ出す。後から考えてみるときちんとこの際いっておけば良かったかも知れないなぁと後悔する。それにしてもこの件も相当に手垢にまみれてきてしまった感が否めない。それでもしっかり受け止めておかなくてはならないだろう。これから先の裁判員制度を考えると相当に影響があるのではないだろうか。

本屋

 教文館に立ち寄る。週刊金曜日を三週間分入手。昨日引用されていた文献の中から「二・二六事件とその時代 昭和期日本の構造」(筒井清忠著 ちくま学芸文庫 2006.10.10)を入手。まずは日本ファシズム論である。