昨日のベラッジオの噴水、CIRQUE DU SOLEILの興奮冷めやらず、あぁ、なんで今回はこの街にもっと滞在しようと思わなかったのかと悔いるばかりだ。Barry ManillowやBette Midlerの大人の唄を聴きたい、CIRQUE DU SOLEILのKÀもLOVEも見たいものだ。冥土のみやげにしたいものだらけだ。
Parisというホテルは正面玄関にエッフェル塔なんて建っていて、こっぱずかしいところだと思うけれど、そんなことをいっていたらこの街にはいられない。ルクソールなんて正面にスフィンクスなんか座っているし、その隣なんてまるで安手のDisneyものの様でぞっとしない。私達は目黒エンペラーと呼んでいた。
そのParisは食事どころとしてbuffetが人気だという。どうせならそれを覗いていこうじゃないかと朝飯を食べるために06:50にそこまで降りていく。するとこんな時間だというのに07:00の開場を待つ人たちがもう列を作っているのだ。なんちゅうことだろう。$14.99もするのだ。入ると2台のキャッシャーへの列があって、それを払うとおばさまが席に案内してくれる。担当のウェイトレスの人は何やら東洋人の方でまずコヒーと紅茶を頼んだ。早速料理を見に行く。昨日Kingmanでランチに入った「Golden Corral」の方が野菜が充実していて、こういう場合に野菜に重点を置いている私としてはどうも納得がいかなかったのだけれど、今から考えてみるとひょっとして野菜セクションの準備がこの朝は特に遅れていたのではないだろうか。それでもオムレツ・コーナーはちゃんと目の前で焼いてくれるおじさんがいて、ここは大人気である。なんだか妙な焦りが自分にあって、ここでゆっくり待っている余裕がなかったのは残念だった。野菜に引き替えて、ここはブラッセリーが大変な充実である。lunchやdinnerがどれ程の品揃えなのかを知らないけれど朝食に限って云えばわれわれの様に早めに出ようとする人は空港のfast foodで良いんじゃないのだろうか。
Las Vegasの空港は考えてみると38年振りなので、どの辺がどの様に変わっているのか全く分からない。当時はターミナル全面がカーペット敷きだ、というのが売り物だったことをわずかに思い出す。それでもこんなに人はいなかったなぁ。ここからSan FranciscoへのフライトはUnitedのTedという航空会社のフライト。聞いたことないけれど、これって子会社かいな?Ted#1511は10:13発で、予定通りに09:45に搭乗が始まる。機体はA-320でこの機体には上のクラスのシートがない。尤もこれまで乗ったこのクラスの機体にはあることはあるけれど、せいぜい8席くらいだ。私たちの座席は13-D & Eで窓際にFがある。いったい誰が来るのかと思ったら最後の方に入ってきたのは巨体の40代後半の男性だ。このエコノミーのシートにはいるのかと思ったが彼はやっぱり慣れているらしくてすぽんと入った。私たちの様なチビには想像のつかない苦労を持っておいでなんだろうと察する次第。
このフライトはSan Franciscoに昼前に到着するから充分余裕で日本行きのフライトにトランジットが可能だからか日本人の利用者がとても多い。San Franciscoの空港のbaggage claimには実に簡単に誰もが入れるのは何回来てみても納得がいかない。迎えに来ている人もどんどん入ってきてしまう。今でも形式の様にチェックインの時にbaggageのバウチャーをくれるけれど、どこの空港でも自分のバッグを持ち出すのにチェックを受けたことなんて全くない。
BARTに乗るのも2回目だから余裕一杯だ。しかし、前回と出てきたところが違っていたからどこからBARTに行ったらいいのか見当がつかなかった。ブルー・トラムでふたつ目で降りればBARTの切符を買える。今回もまたクレジット・カードで買い、何の引っかかりもなく二枚同時に買うことに成功。やるじゃないか。今日は前回よりも早い時間だったからそんなに混んでこない。大変にスムースにホテルに入る。早くチェックインしたからか、今度は5階で展望最悪だ。それにしてもこのホテルは部屋は快適なんだけれど、まるでLas Vegasのホテルの様にホテルに人間性が感じられないなぁと思ったら客室数は千室を超えるというのだからしょうがないのかな。
Los Angelesの友達に電話をして血液検査の結果を確認する。問題なしだというので良かった、良かった。前回のSan Franciscoは冷たい風が吹いて寒かったのだけれど、今日は暑い!まるでIndian Summerでもやってきたかの様だ。お友達から早速伝言を貰い、遊びに行くのだけれど、その前にとにかく洗濯をしなきゃならない。5泊6日を過ごしてきたので、そろそろ払底である。どうも観光地のホテルにはセルフのラウンドリーが着いていないのが不満だ。豪州だったらあるだろうに。conciergeのおばさんに尋ねたらすぐさま備え付けの地図にバッテンを書いて教えてくれた。それって結構登るじゃないのと袋を抱えて上がる。TaylorとBushの角からちょっとはいったところだ。がらんとした相当に古そうなコイン・ランドリーだ。奥に中国人と覚しきおじさんが一人いる。手前に並んでいる洗濯機は4台のうち2台が動いていたからその裏側の洗濯機に洗濯物を突っ込んで持ってきた洗剤を入れてクォーター(25セント)を放り込むがそれまで標示されていた「9」という数字が「8」になっただけだ。わからん。中国人のおじさんにどうすればいいの?と聞く。ものすごい中国訛りの英語で教えてくれる。「え?そっちの機械に入れちゃったの?え?クォーターまで?それじゃしょうがないなぁ。手前の機械が新しくて早くて安いんだよ。それは9枚クォーターを入れなきゃならなくて(つまり$2.25だということだ)、遅いんだよ」と仰る。くそっ。「分かった、ありがとう」というとおじさんは「何事もただじゃ教えちゃくれねぇんだよ」と云ったけれど、聞こえないふりをした。連れあいは新しいという方の洗濯機に入れた。
どこかで時間をつぶさなくちゃならない。そういえばここは38年前に転がり込んでいた友人のアパートに近い。見に行こう。ホンのワンブロック登ればいいだけだ。このあたりは本当に坂がきつい。行ってみると角のグローサリーはそのまま今でも変わらずにある。しかし、あのアパートが角から二軒目だったのか、三軒目だったのか、思い出せない。取り敢えず二軒とも写真に撮る。多分灰色の方だ。この三回の奥の部屋だった。窓から顔を出すと上に狭い四角い空が見えてそこがいつ見ても青空だった。寒くなるとガスの暖房が「ぼっ!」と音を立てて燃えるのがわかる部屋だった。
暑いし、居る場所がないからそこから南へワンブロック降りて、角から二軒目にあったネットカフェかも知れない店にはいる。美味しくないジュースを買う。座ってみて分かったのだけれど、この店をやっているのは中国人の女性がふたりだ。しばらくして短パンでデッキブラッシでタイル床を洗い始める。「この店は何時まで開いているの?」と聞くと如何にも邪魔だという雰囲気で「後30分」と答える。さっきまで隣のテーブルでラップトップを見つめていた女性はパソコンを閉まって帰っていく。とても居にくい。結局でた。ラウンドリーに戻るとあと10分程で洗濯が終わる。さて、ドライヤーをどうする?ってんで、一回だけ廻して様子を見ようと云うことでやってみる。すると結構湿気が飛んで良いかも、後は部屋に干したら一晩で乾くんじゃない、ということでそのままホテルに戻る。
友達に迎えに来て貰って遊びに行く。本当にご迷惑をおかけしてしまったけれど、美味しい夕飯で楽しい話で本当に嬉しい。午後9時くらいになるとあれ!不思議!とても冷たい風が吹き始め、昼間のあの酷暑が嘘の様にどんどん消えていく。