ほぼ足りてまだ欲 その先

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今頃になって

 海外の媒体には触れられていながら国内では全く公開されていなかった資料のひとつとして、「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)」なるものがあるのだそうで、これが昨日付で内閣府原子力安全委員会から発表された。
 これまで発表されなかった理由は「3月20日から陸向きの風向となったため、大気中の放射性核種の濃度が測定でき、限定的ながら放出源情報を推定できたことから、本システムの試算を行うことが可能」になったのでようやく公表したのだという説明である。
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 そういえば地震直後のNHKの天気予報で、日頃から各地域の温度データーが色別に表記されているにもかかわらず、その日、福島県の海岸側の温度については北から南までデーターがないから表記されないと説明され、確かにその部分は色がついていなかった。しかし、これだけ重要な周辺住民や、周辺各国に影響を大きく与える可能性が大で、日頃からそれは意識をしておくことのできる、いや意識しなければならない原発周辺のデーターについて、地震とそれに伴う津波の被害を受けたからといって、地震から9-10日も経ってからようやくデーターが出てくることの背景は一体なんだろうか。しかも、ここまで公開されなかった理由が「風が海方向へ流れていたから」ということで説明されることで周辺はこれを「なるほど」と了解するのだろうか。
 本来的にいえば武田邦彦ではないが(彼の名前を出さない方が良いかも知れないが)、どんなことがあっても移動型、あるいは簡易型の気象情報モニター設備を持ちこむべきなのではないのか。そんな疑問を無視して、「風が陸向きになったから」ようやくデーターが取れたとするのははなはだ不自然である。
 そこに何かしらの意図があると判断するのが自然な解釈ではないか。
 文末にこう説明がある。

SPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測)ネットワークシステムは、原子力施設から大量の放射性物質が放出されたり、あるいは、そのおそれがあるという緊急時に、周辺環境における放射性物質の大気中濃度や被曝線量などを、放出源情報、気象条件及び地形データをもとに迅速に予測するシステムです。
 国・地方公共団体は、SPEEDIネットワークシステムが予測した情報により、周辺住民のための防護対策の検討を迅速に進めることができます。

 私のような夢うつつのうちに戦後の占領期、混乱期を通り過ぎてきてしまった人間には一体いつから、どんな形で原子力発電(核の平和利用といううまいことば)が日本に取り入れられたのか、その成り立ちを意識したことがないが、こちらNHKのドキュメント番組を見てはじめてその背景を理解した。そしてことこの件に関して正力松太郎の関わりの深さ、そしてなにゆえに彼が初代原子力委員長に就任したのかがわかる。これがひょっとすると、ナベツネや滝鼻のあの頑迷かつ傲慢な態度につながるのだろうか。彼等は原子力発電という施設運営について電力会社は讀賣のいうことを聞く立場にあるんだと未だに意識しているのではないのだろうか。
 45分番組ではあるけれど、これはこの時点では見るべきドキュメントかと思う。(中にほんの一部分、高橋圭三の声を聴くことができるのがマニアとしてはまた嬉しい。)