ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

実に臭いのですが

 私は基本的にはさだまさしの論調にすべて合致することはできなくて、彼がいうことはあまりにも臭いと云ってあんまり好きじゃない。好きじゃないのだけれど、時々思いっきりやられちゃうことがあって、なんだかどうも微妙な距離感が縮まったり、す、すぅ〜っと遠く離れたりするんでござる。
 彼の歌を唄わせると、実になんともどうもそっくりに唄うことのできる東京外語大出身の職場の後輩がギターを弾きながら歌うのを聞いてさだまさしを知ったのが多分35年ほど昔のことではなかっただろうか。何しろ私はあの辺りのいわゆる中津川系フォークは「神田川」しか知らなかった。
 思いっきりさだまさしを聴いたのは、15年前頃に出逢った九州・宮崎出身の青年がもう唄と云えばさだまさししか云わないという男だったからである。挙げ句の果てに、当時私達が暮らしていた豪州のシドニーのStates Theatreにさだまさし一行がやってきてコンサートをやったのである。彼と私は二階の真ん中の席で彼等の演奏を堪能したのは云うまでもない。
 それからしばらくして日本に帰ってきてから入った学校で後輩の卒業直前ゼミコンパの二次会でカラオケに行って、私はこのさだまさしの歌を唄った。昔遠く離れた高校に行っていたうちの息子を思ってその頃良く唄った曲だった。
 その時一緒にカラオケに行った卒業生ふたりがこの曲の途中から涙していた。あとで聞いたら彼等は東北出身だったのだ。どうも悔しい気がしないではないけれど、この曲ではさだまさしにすっかりやられちゃうのである。