ほぼ足りてまだ欲 その先

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わからんな

 久しぶりに母校の旧来からあるキャンパスにいった。またとんでもなく高いビルが建っている。そこにはきっと精々二階建ての校舎でも建っているのかと思ったものだから第二会議室と聞いただけで出てきちゃった。どこだかわからない。事務系の人たちが使っているネットだったら会議室のリザベーションがわかるはずなのだけれど、手頃なところの事務室は午前中でクローズされていた。でも、中を覗うと男性が二人いるのが見えたから、扉を開けて、どこかわからないだろうかと聞いてみた。すると二人のうちの一人はいかにも面倒くさそうに「わかりませんねぇ」という。そうしたら、もうひとりの人が「ちょっと待って下さいね」といって会議室情報をひっくり返してくれた。「10階ですね」と教えてくれ、その上「ご案内しましょう」とまでいってくれる。
 「いや、それには及びません、お手数をかけました」と彼を押し留めて自分で部屋を発見した。それにしてもこの二人の差はなんだろうか。困っているのかも知れないという慮りと想像力の違いじゃないかという気がする。「わからない」といってしまえば面倒に巻き込まれることはないだろう。しかし、解決の手助けを放棄している。私もひょっとしたらこんなことをしているのかも知れない。そう考えただけで、ぞっとする。