ほぼ足りてまだ欲 その先

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経団連アンケートと報道

 経団連が会員企業152社を対象に行った「今夏の電力需給対策に関するアンケート」に87社が回答したと経団連が発表した。
 これを財界の広報機関たる大手マスコミが報道した様子がGoogleを使って検索すると判る。
経団連の発表資料によると回答をしてきた87社は製造業が53 社、非製造業が34 社。回答依頼をした152社というのが会長・副会長会社、評議員会議長・副議長会社、資源・エネルギー対策委員会委員会社を対象にしたものだというのだから、全体の流れを語るにはあまりにも狭く、偏ったサンプル選択だといわざるをえない。
 どう考えても「アンケート」という形をとった原発擁護、電事連支援作戦の一環と考えるべきだろう。
 経団連の発表は総括としていくつかのまとめを記載しているのだけれど、NHKはこれを報じるニュースを「土日操業“今後は実施不可能”(10月23日 11時28分)」という見出し(放送の場合は見出しとはいわないのだろうか)で、「もうこんなことやっていられないから、原発動かせよ」というメッセージを暗示していた。

 電力不足に対応するため、平日、工場を休みにする代わりに土曜や日曜に稼働する「土日操業」について、経団連が行ったアンケート調査では、従業員の家庭生活への影響が大きいといった理由で、今後も実施できると答えた企業は1社もありませんでした。
 経団連は、この夏企業が取り組んだ節電対策の効果や影響などを検証するため、先月から今月にかけて、大手企業を対象にアンケート調査を行い、87社から回答を得ました。それによりますと、ピーク時の使用電力を減らすのに効果があった取り組みを複数回答で尋ねたところ、▽「照明やエアコンを消したり停止したりする」が全体の83%で最も多く、次いで▽「エレベーターや事務機器などの運用改善」が44%、▽「自家発電や蓄電池の活用」が41%などとなっています。また、▽平日、工場を休みにする代わりに土曜や日曜に稼働する「土日操業」を含む「休日や休暇の活用」については、効果があったと答えた企業は40%ありましたが、「今後も実施可能」と答えた企業は1社もありませんでした。これについて経団連では「土日操業は従業員の育児や介護に負担を強いるなど、家庭生活への影響が大きい。政府は安心して企業活動ができるよう、電力の安定供給に努めてほしい」としています。

 問題は最後のところにあって、まず、経団連の発表資料では

 製造業では、「自家発電、蓄電池の導入・活用」、「休日・休暇の活用」、「夜間・早朝操業等の勤務時間シフト」を効果のあった取組みとして挙げた企業が多いが、コストや従業員の家庭生活への多大な影響、社内外のコミュニケーションが困難になる等の問題があるため、「今後も実施可能」という回答は1社のみ。

 と書かれている。この件について聞いたのは製造業のみだが、ほんの1社ながら「まだやれるぞ」といっている企業がある。にもかかわらず、NHKはこれを勝手に「1社もありませんでした」と書き換えている。これは一体どうしたことなのか。
 土日曜日の週末にもかかわらず稼働していなくてはならない職場というのはこの時代のこの国には数多く存在していて、その従業員達の家庭生活への影響について経団連は思いを致す気は全くないということなのだろうけれど、これをそのまま「シレッ」として「ご説ごもっとも」と報じる姿勢は一体なんだ。
 警察、消防、病院、小売業(特にコンビニ)なんかの職場の従業員は影響を考えなくて良い、ということか。24時間稼働の業態といえば製鉄業や大規模清掃工場なんかは止めることができないのだから4斑3交替で稼働しているだろう。彼等の従業員の家庭生活はどうなっているんだ。
 原子力発電の未成熟毒箱システムを稼働させると経団連が潤う、つまりこの国に暮らす人間を犠牲にしても、草刈場を維持確保するために、そこここに忍ばせられるこうした工作を私達は指摘していかなくてはならないけれど、お人好し国民国家はやりたいだけやられてしまうのか。