先日久しぶりにたった停留所三つ分だけれど、都バスに乗った。この辺の都バスは週末以外は爺さん婆さんばっかりだ。なぜかというとシルバーパスなるものがあって、70歳以上は非課税者だと年間に1000円でフリーパスを入手することが出来るからだ。私だってあと数年でこの特権を手に入れることができると思うと、精進して長生きをしようと思おうってもんだ。このパスは以前は誰でも70歳以上になるとただで手に入った。ところが元不良小説作家が都知事になって以来、金を取るようになった。
住民税課税対象者はこれにあらずってのは当然だろう。収入がある人はちゃんと払って下さいってなものだ。取りあえずこちらは20,510円で手に入る。
何でこんな事を知っているかと云ったら、バスの中に大変におしゃべりな婆さんがいて、一人でシルバーシートに座っているのだけれど、隣に座った以前にどこかの病院で逢ったことがあるってだけの婆さんにこんな話をぶちまけているのだ。今は息子と同じマンションに住んでいるけれど、昔は家作があったものだから毎年2万円を払っていたんだと大きな声でしゃべる。どこかの医者の待合室であったことがあり、たまたまバスで隣に偶然座ったどこかの婆さんにこんな話をしている。こうなると、用事なんてどうでも良いからこの婆さんの話を聞き続けていたら、何かこの人からおこぼれがいただけるんじゃないかと思う悪い奴が現れてこないものかと危惧するけれど、それはこんなところで、自分の生活をずらずらと書き続けている奴だって同じだと思う今日この頃だ。
多分あの婆さんと、私も同じ部類に属していると思うな。
そうそう、書きたかったのはこれだけじゃなくて、そうして乗っている婆さんたちがふたり席をみんなひとりで独占して座っているということなんだ。多分奥にきちんと座って外側に他の人が座ったら降りにくくなるなぁということを懸念しているんだろうけれど、そんな時は「すみませんね、降ろして下さい」といえばいいと思うんだけれど、それを近頃の年寄りは厭うんだな。横着も甚だしい。そういえばその前に座っている50歳前後とおぼしき親父もそうやって座っている。かくいう私もそれをわざわざ、奥へ詰めろというのが面倒で立ったままで3停留所目で降りた。たったこれだけの間、乗っているだけでこれだけのことを観察するんだから、バスは楽しい。