ほぼ足りてまだ欲 その先

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保阪正康

 今年の7月に刊行された本で、副題が「語り継ぐ十二月八日と八月十五日」。帯に「昭和史の大家が語り降ろす、取材秘話と新視点たっぷりの肩のこらない歴史講義」としてある。つまり、保阪が語っているようになっている。あとがきにも書いてあるように過去二年間に朝日カルチャーセンターやそのほかの講演で語ったことを中心にして、山川出版の方がまとめたものだとしてある。つまり、私が聴いてきたことが中心になっているというわけで、この本を読んでいると、私には保阪正康の語り口が行間から見えてくる。毎回自分の出来る限りの範囲でメモをとってきているので、ほとんどはわかっていることだけれど、こうしてまとめてもらえるのは大変に助かる。私のメモでは判然としないところがどうしても出てきてしまうからだ。
 今頃になってこの本を入手したことの理由は、確かに一度は聴いたことだから、わざわざ確認はしなくても良いだろうと思っていたのだけれど、しばらく話を聞ける状態にならないので、やはり入手しておくべきだと思ったからだ。
 今売れている「戦後史の正体」の中で孫崎享が書いていることのいくつかは、それに近いことをを保阪正康が随分前から語っていたわけで、私にとっては「戦後史の正体」を読むことは確認作業だったといっても良いが、一体この差はなんだろうか、という気がしないでもない。
 保阪正康の早い復活を願いたいところだ。