ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

厚生労働省「今後の労働者派遣制度の在り方に関する研究会」

 霞ヶ関ははっきりいって財界のいいなり。日本の労働者、すなわち日本国民のことなんて全く考えちゃいない。可能な限り劣悪な労働環境に置いておいて、できる限り搾取していこうという方針だということが良くわかる。
 研究会報告書はこちら。(pdfドキュメントが開く)

  • 「専門性は技術革新等により時代とともに変化するものであるため、制度の安定性という観点から、一定の知識、技術又は経験の専門性を判断する基準を明確に定義するのは困難」として派遣労働の範囲として規定していた26種の専門職という考えを完全に放棄したものだ。
  • 「近年、パートは契約社員を中心に非正規雇用労働者は増加を続けており、それにも関わらず派遣労働者のみを常用代替防止の対象とし続けることには十分な整合性はないと考えられる。」

 もともと労働者派遣法は常用労働者の立場を守るという観点から作られたものであったのだけれど、今やその観点は実情に即していないと主張するのだけれど、その実情を作り出したのは一体誰なのかといったら労働者の側ではないのだ。
 可能な限り労働賃金を低下させるという観点から違法な行為を次々に繰り出してきた結果、「これではもうしょうがない」といってズルズル後退しているというのが本当のところだ。

「常用代替防止」(正社員を派遣に置き換えてはならない)という現行法の考え方を、「根本から再検討することが必要」と全面的な見直しに言及(しんぶん赤旗2013年8月21日)

 昨日、今日完全失業率が低下してきていると報道されているけれど、その中身を報道するに際して、非正規労働者の数と正規労働者の数の比較が正しくなされているのかどうかという点が非常に重要だ。正規労働がどんどん非正規労働に置き換わっていく。国民をこのような不安定な状況において搾取する政府が国民の為になるのかといったら結論は明白だ。

今回は明らかに規制緩和への再転換になる。労働市場の流動化を掲げる安倍晋三政権の成長戦略には沿っているものの、規制緩和に伴うデメリットへの目配りを欠いてはいないだろうか。
 派遣労働者は137万人を数える(2011年6月現在)。労働者の多様な働き方を後押しする面はあるが、正社員になれずにやむを得ず派遣で働く人も多い。
 派遣労働者は概して雇用が不安定で賃金が低く、将来設計も難しい。そうした労働者の拡大が、社会や経済にもたらすマイナスの影響も軽視してはなるまい。(2013/08/26付 西日本新聞朝刊社説)

 西日本新聞の社説はまさに正しい主張であるけれど、財界の広報紙-日本経済新聞や、自民党の広報紙-産経新聞にはあきれ果てる。