ほぼ足りてまだ欲 その先

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閉店

 京橋の「LIXILブックギャラリー」が閉店した。多分売れなかったんだろう。何しろいつ店に入っても、せいぜいお客さんがいるときで4人ぐらいだった。しかし、建築、都市関連、絵画、芸術関連のありとあらゆる書籍が一堂に集めてあって、時として一時間くらい時間を費やして片っ端から見ていくだけでも楽しかった。そうやって買わないから閉店になっちゃうわけだけれど、欧州へアールヌーボーの建物を見に行こうとしたとき、あるいはバルセロナにガウディーの作品を見に行こうと思ったときなんかにはちゃんと買うべき書籍を買っていた。
 この種の書店が生き残れないというのはその地の文化程度の貧困さがうかがわれる。東京という地域は文化的に程度が高いと思われがちだけれど、ただ単に新しもの好きだ、というに過ぎないというのが私の感覚だ。そんなことはない、日本文化の伝統についてこんなに傾倒しているじゃないか、という声が聞こえてきそうだけれど、それだったらなんで向島や観音裏の花柳界は壊滅の危機を迎えているんだろうか。ま、こんなことをいってもせんない話なんだけれど、こんなユニークな書店を支えていられなかった東京都民として、申し訳ない気持ちである。