ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

休みを取る

「sick leave」制度はドイツにもあるんだそうだ。日本語にしたらさしずめ「療養有給休暇」かなぁ。

 豪州でも普通にこれがあって、病気で寝込んだ時にはこっちの有給休暇を使う。だから、普通の有給休暇(単にleaveと呼ぶ)は単純に遊びに心置きなく使えるので、とことん使い切りますね。これでこそ有給休暇の意味があるわけだけれど、日本では「いざという時」のために有給休暇を使うわけにいかないのが、多くの大企業正社員です。

 中小や、人手の足りていない職場だったら、「まわりに迷惑がかかる」という理由でなかなか休めない。非正規社員はいくらでも休めるけれど、それは無収入を意味するわけで、これは「有給休暇」じゃない。

 豪州では担当が休んでいると「出てくるまで待つ」というのが普通のこと。ここのところが日本人には理解ができない。お客に対して失礼だし、利益機会の大損失だという論理しかない。ここが根本的な違いで、ここがわかれば、理解はできる。
 だから、取引先にも「いつからいつまでの間休む」からと事前に説明する。知らずに電話すると他の人が出てきて「leaveちゅうでいないよ。二週間後には出てくるって」と伝えられることになる。例えば、毎日来る郵便配達のおじさんですら「来週から6週間、leaveでいないから、隣の地区担当がカバーするんで知らない顔が来るけどよろしくね!」といっていく。「滅私奉公」なんてしない。そんなことするんだったら、一体誰のための人生だ!って訳です。

 ところが昇進して少しでも多くを稼ぐ人生を送る人はそうじゃない。そういう人はそういう人、こういう人はこういう人と別れている。日本人の働き方を見ると、全員が必死に上昇志向で競争しているように見える。尤も稼げば稼ぐほどリタイア後の年金支給額が変わるから、それもあるのかも知れない。

 日本のこの社会制度は今の政権がこのままの状態だったら決して変わることがない。なぜなら今の政権がやっていることは彼らに金をもたらす大企業の経営者が儲かるシステムにしか関心がないからだ。働く多くの国民がよりよい条件を手に入れるということは大企業経営者の取り分が減少することに他ならないからだ。

 かの竹中平蔵の言い分を大いに取り上げた朝日新聞は既に日本経済新聞と同等の立場に立っている。