ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

映画

 近頃映画館へ映画を見に行かない。なぜかというとトイレが心配なのだ。下手をすると3時間なんて大作があったりするので、油断ができないのでもう劇場へは行かない。だからもっぱら、夜中のテレビで偶然見てしまうとか、飛行機の中で見るくらいだ。それでもこれは面白い、という映画に遭遇すると、あぁ、もっと積極的に劇場へ足を運びたいなぁと思うけれど、どうしても我慢ができないで、とうとう隣の席の人に嫌がられるのを承知でトイレに出た時のことを思いだしてしまう。

JUDY
JOKER
JOJO RABIT
 偶然にしてはできすぎていると思うけれど、今回飛行機の中で見た映画は三本ともJから始まる。なにかあるのか。

「JUDY」は、「オズの魔法使い(The Wizard of Oz)」で一躍ハリウッドで売り出した、あのJudy Garland(本名Frances Ethel Gumm)のことである。彼女の晩年を描いた英米合作の映画で、日本では来月封切られるそうだ。これまでもちろんJudy Garlandのことは知っていて、難しい「Somewhere Over The Rainbow」を自分でも唄ってみたいと思っているんだけれど、やたらと広い音域を持つこの曲をもてあましている。それでもこの映画を見ると、もう一回唄ってみたいなぁと思う。
 映画に主演したRenée Kathleen Zellwegerはドイツ系の名前でどうやら本名だけれど、こんな名前のままハリウッドで女優をしている人は結構珍しいんじゃないかなぁ。覚えにくいものねぇ。おかあさんはサーミ人だという。サーミというのはかつてはラップランド人と呼ばれていた北欧の多国間にまたがって分布している人たちのことで、「蔑称」だと今ではサーメとかサーミと呼んでいる。
 この映画の撮影が彼女が何歳の時なのかわからないけれど(1969年生まれ)、47歳で死んだジュディ・ガーランドにしてはちょっと老けすぎてはいないだろうか。私は映画のend rollでジュディ・ガーランドがこの映画ストーリーの終わりのあと6ヶ月後に47歳で死んだと読んだ時に思わず{え〜っ!)と声を上げてしまった。Zellwegerは綺麗な頃の嵯峨美智子(あとで三智子に改名)を彷彿とさせる雰囲気、表情で、私はとてもビックリした。もっとも嵯峨美智子も57歳で亡くなっている。今じゃ、嵯峨美智子といっても覚えている人が少なくなっていることだろう。ご存じの方には是非見て戴きたい、必ずやご同意戴けるはず。
 しかも、ゼルヴェガーは映画の中で唄われている曲を全て自分で唄っているという。私は最後の、ほとんど語っているのではないかと思う、ジュディ・ガーランドの人生になぞらえられる「Somewhere Over The Rainbow」も含めて彼女自身が唄っているということに非常に驚いた。これが正に彼女の声ではあるけれど、層の分厚いアメリカのことだから、必ずや吹き替えた歌手が他にいるに違いないと思っていたくらいの歌唱力である。なるほどサウンドトラックとして売り出されていて、Amazonでの評価も非常に高い。これは手に入れておきたい。素晴らしい歌唱力で、これが映画でなくて、ブロードウェイだったら、スタンディング・オベーションものだと絶賛しておく。ジュディ・ガーランド本人に似ているかどうかという人もいるようだけれど、これはこの際問題じゃないと云ってしまおう。余計な情報かも知れないけれど、実は彼女は大金持ちらしい。映画の中で150ドルを貰って有り難そうにしているジュディ・ガーランドとは大違いだけれど。彼女は「ブリジット・ジョーンズ」三作に主演、私は見ていない。「Miss Potter」は私も見た記憶がある。
 ところで、ジュディ・ガーランドの娘であるライザ・ミネリだけれど、彼女ももはや73歳となっているはずだけれど、全く名前を表舞台で聞かない。どうやら、母親の影響かどうか知らないが、彼女もまた依存症の罠の中にはまり込んでしまっているらしい。こうしたミュージッシャンの世界の人たちが嵌まりやすい依存症の世界というのはどうしてこうなるのだろう。上手くできないかも知れないという恐怖心が根底に存在するとでもいうのだろうか。映画になったレイ・チャールズにしても、ティナ・ターナーにしても、それこそほとんどのミュージッシャンがこの罠にはまる。
 それにしても今からジュディ・ガーランドのロンドン時代の残されているフィルムを見ると、後のライザ・ミネリは全くおかあさんにそっくりなパフォーマンスなのがわかる。これで思いだしたのは、今の海老蔵が父親そっくりの台詞回しなところだが、こっちはかなり意図的なところがないとも思わない。

「JOKER」は今まさに日本で公開されている作品。大ヒットしているんだというからもう知っていて当たり前の映画ということだろう。
 実は東京やNew Yorkを歩けば、多分この主人公に相当するだろう境遇の存在というのはいくらでも普通に存在するし、ましてや現実はもっともっとどうにもならない状況に置かれている人たちが山のようにいることが想像に難くない。イヤ現実はもっとひどい状況だといっても良いかもしれない。米国ではドナルド・トランプが「強いアメリカ」といっているけれど、実は「金持ちのためのアメリカ」でしかなくて、多くの人たちは失意の中で、寒い路上で段ボールの破片に「homeless!」と書いて座り込んでいるし、日本でだって、安倍晋三が長期にわたって金持ちのための政治をやりながら、無茶苦茶な言葉を投げつけてその場をごまかして貧困に喘ぐ高齢者、若者、シングル親家庭を放り出してやりたい放題をしている。心の底では、できることならArthurのように偶々手に入れた拳銃で生意気盛りで傲慢そのものの証券マンにぶっ放してやりたいよ、と思っている人たちがそれはそれはたくさんいるだろう。それを理性と知性で押しとどめている。逆に為政者の方がまさに理性と知性をかなぐり捨てて、暴虐の限りを尽くしているのが現実じゃないか。
 私は通常だったらこの手の映画を見ることはない。なぜなら、広告の仕方が、この映画を恐怖映画だと思わせてしまうからだろう。この映画はマイケル・ムーアに通じる思想を持っている映画だと私は思っている。テレビのライブ番組中に彼に撃ち殺されてしまうパーソナリティー役がロバード・デ・ニーロだってのにも驚いたね。

JOJO RABIT ジョジョ・ラビット」
 これもまたもう日本で公開されている作品だそうで、公開は先月17日でそろそろ一ヶ月になるのかな。これはとても示唆に富んだ作品で、ちょっといい加減に見てしまったので、そのうちWOWOWあたりでやりそうな映画だから、その時にじっくり見てみたいが、英語で演じられるナチスってだけである種の期待をそそる。「世の中、遊びじゃないんだぞ!」といわれている気がする。

アカデミー賞
主演女優賞:Renée Kathleen Zellweger「JUDY」
主演男優賞:Joaquin Phoenix「Joker」
脚色賞:Jo Jo Rabbit


【公式】『ジュディ 虹の彼方に』3.6公開/本予告