ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

雨の中の散歩

f:id:nsw2072:20210405144652j:plain:w360:left 朝から霧雨のような雨がチラチラしているけれど、きっとこんな時には人は外へ出たがらないんだろうから、というので出かけてみた。大江戸線を勝どきで降りて、都バスで東京駅まで行った。これならシルバーパスだけでいくことができる。丸ビルにはいってウラに抜けたんだけれど、ビルの中がガランとしていて、ほとんど人がいない。丸の内仲通りもほぼ人も車も通らない。郵船ビルと商事のビルの間が、昔に比べると、綺麗に広くなっているのは商事のビルが建て変わったからだ。全く25年前と比べると、景色も雰囲気も変わっている。郵船ビルだけは全く変わっていないのにね。ROLEXは今でもここに変わらず店を構えている。そういえば昔の丸ビルの時には、地下にサラリーマン相手の安い居酒屋があったなぁ。

f:id:nsw2072:20210405212453j:plain:w360:right そのまま行幸通りを和田倉門方向に向かって歩いて行くと、霧雨が降りしきるお堀に白鳥が、たった一羽、浮かんで私を見つめていた。北へ帰らなくて良いのかね?
 外苑の芝生公園に入り込むと、やっぱり人っ子ひとりいない。ソメイヨシノはもうほとんど花殻だけになり、たった一本の八重桜がたわわに花を咲かせている。こんなところにやってきたのは一体何年ぶりなんだろうか。ひょっとするとこの半世紀の間、一度も足を踏み入れていないのかも知れない。大手町で仕事をしていた通算15年ほどの間も、ご成婚記念噴水の周りにはいくけれど、こちらには来たこともなかった。こんなに綺麗に、広く芝生だけのスペースだったのだろうか。なんだかもっと植え込みや灌木があったような気がするし、日比谷公園ほどとはいわないけれど、こんなにスカスカではなかったような気がする。多分警備上の都合が優先された結果、こうしたのかも知れないなぁという冷たさを感じる広大な空間だ。しきりに「夜間立入禁止」と書かれているが、昔はむしろ夜の方がベンチの占有率が高かったのではないかという気がするくらい、なんの規制もなかった。綺麗で、警備がしやすい空間というものがこれほどつまらないものなのか、というサンプルのようなものだ。もちろんここのベンチにも、あの不細工な真ん中仕切りの手摺りが追加されていて、ベンチで人が寝られないようにしてあるんだけれど、それだけ二人連れにも邪魔になるわけで、このベンチはなんのためなんだろう。
f:id:nsw2072:20210405213925j:plain:w240:right と思うと、真ん中に仕切りのないベンチの列もある。あ、こりゃ粋にちゃんと残してあるんだね、意外と融通が利くじゃないか、と思ったらなんと!ベンチそのものが従来のものの2/3の横幅しきゃない!これじゃ寝っ転がるには寸足らずだが、二人連れはぎりぎり座ることが出来る。底意地の悪さが臭ってくるようなベンチだ。

 二重橋前駅あたりから地下道に入って、電気ビルの前に出て、晴海通りを銀座四丁目方向へ歩き、テイジンメンズショップが先月末で閉店してしまったのを確認し、東銀座から電車で帰る。雨の日の散歩は人に出逢わなくて良い。

f:id:nsw2072:20210405214451j:plain ちなみに蔵前神社のミモザはすっかり花がなくなって、不思議な枝振りになっている。