ほぼ足りてまだ欲 その先

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衆議院・国土交通委員会参考人聴取

 最初の三人の質問者の中でまともな質問をしているのは民主党の馬淵議員だけ。彼はイーホームズの藤田社長に的を絞ってこれまで公表されていなかったであろう流れを引き出している。日本ERIから姉歯設計事務所から出ているものに意図的なスペックダウンがあるから気をつけろという連絡が1年前にあったことがきっかけだという。長妻議員はなぜイーホームズの藤田社長とヒューザーの小嶋社長との間のずれを追求せずに質問を打ち切ったのだろう。ただ単なる時間の不足か。自民党議員の質問はお粗末。馬淵議員の最後の質問が木村建設が入っているビルのオウナーと木村建設の関係に何かあるらしいことを示唆。どこにあるのかを知ろうとして木村建設のサイトを見に行ったら「ただいまリニューアル中ですので、しばらくお待ちくださいませ。」と書かれているだけ。
 小嶋社長は2回声を荒げる。この人はきっとこうしてこれまでのし上がってきたんだろうなぁと思う。そのやり方はどこでも通用すると確信を持っているかのように見える。質問に立った議員の発言にのべつまくなしに頷くやり方は誠意を持って訊いているような印象を持てない。本当はそうでなかったとしても、「調子の良い奴」という印象を持たれてしまうだろう。どうせこれ以上悪い状況に陥ることはないんだから何云ってもいいや、と思っているかの如き印象を植え付ける。
 木村建設東京支店長発言「リベートではないが、架空の領収書を要求したことはある」というのは良くあることなのかもしれないなぁ。しかも木村社長はこれについて「私は知らない」と発言。支店長のやりたい放題だったということ?なんだか随分タイミングの良い破産だし。
 自分が高層住宅に住んでいるので、実はいいたくないのだけれど、ひょっとするとこの「経済設計」(正しくない意味での)が適用されて施工されてしまっている高層住宅はそこら中に存在するのではないだろうか。この事件が発覚した時にすぐにわが高層住宅では管理組合の名前で「本物件は問題がありません」と貼り出されていたのだけれど、今から考えるとあまりにも早すぎて売り主(某大メーカー系列の商社)、施工者(某大手ジェネコン)ともにきちんとチェックしていると思えないし、もしそうだったとしても“実はこれも危ないです“なんてコメントするはずもない。こういう点でも管理組合が正常に機能しているかどうかという点も非常に重要である。
 この建築物確認検査もそうだけれど、何度もいうように法を整備したことで世の中に現実的にそれが実現できているのかといったら、それとこれは別である。むしろ、法はできたけれど、なんら規制が働かないという状況の方がほとんどだろう。
 「性善説に基づいてチェック機能を果たしている」という言い訳が通用しそうな雰囲気があるけれど、これはとんでもない話で、世の中が「性善説」で動いているのが当たり前なんだとすると、そんなチェック機関なんて要らないのである。そんな奴ばかりでないからこそチェック機関が必要なのである。そうした機関がその意識を持たずに仕事をしているのだとしたらとんでもない。そうしたシステムを作り、機能していないものをそのままにしている行政の責任は膨大だ。また、霞ヶ関はなんら責任をとらずに終わるのだろう。これからもこうした事件は後を絶たないことだろう。儲かるのであれば何でもやるわけだから、民営化、私物化というのは軽々に口にしてはならないのだ。

  • 自民党の武部が「悪者探しなんかして不動産業界がむちゃくちゃになっては大変なことになる」と発言した点については案の定様々なところで取り上げられてきた。