ほぼ足りてまだ欲 その先

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柳田邦男

 一昨日のNHKラジオ深夜便」は元NHK記者、柳田邦男のインタビューだった。元はといえばテレビの「百年インタビュー」という番組のようだ。彼は飛行機事故についての著作がとても多かった記憶があって、そんな時に良くNHKの番組に出演していた記憶があるのだけれど、まさか元はといえばNHKの記者だったとは知らなかった。
 知らなかったといえば、彼の次男坊が精神を病んだ挙げ句に自死の道を選び、しかもその後しばらくの間植物状態となって亡くなったのだそうで、それを著作(「犠牲(サクリファイス) わが息子・脳死の11日」文藝春秋 1995)に著したのだそうだ。次男の死後、しばし何も手に付かなかったのというのは当然だとしても、このインタビュー放映の時点(2009年8月13日)においても尚彼は言いよどむ。意識の戻らなかった間の息子を見ていて、それまでに見られなかったような血色がとても印象的だったという。子どもを失った時の親の気持ちは如何ばかりかと、翌日の朝早い起床時間にかかわらず眼がさえてなかなか寝付かれなかった。
 私は自分では親に対しても兄弟に対しても彼等が元気でいることができるようにと神に祈るけれど、どうしても離したくないんだ、離れていかないでくれ!と執着するタイプではないようだ。しかし、子どもたちが私より先にこの世から退場することになるのだとしたら、やっぱりそれはとても堪えられることではないだろう。多分どこの親もそう思っているのに違いないと確信しているのだけれど、どこにいて、どんな生活をしていても良いけれど、とにかく元気でいて欲しいというのが親の心なんだろうなぁ。そう、本当にどうでも良いけれど、とにかく元気で生きていって欲しい。うちの親もそう思っていたんだろうなぁ。