ほぼ足りてまだ欲 その先

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竹中のみんな非正規社員に

 何でも正月の「朝まで生テレビ」で、あの人材派遣企業の竹中平蔵が「同一労働、同一賃金をいうなら、全労働者を非正規にしろ」といったらしくて、ネット上では飛び交っている。世の中には大変に労苦をいとわずに文字起してくださる方がいる。詳細→こちら

竹中:1979年の東京高裁の判例で解雇の4要件が示された。要するに、同一労働・同一賃金と言うんだったら、「正社員をなくしましょう」って、やっぱり、あなた、言わなきゃいけない(編集部注:このとき竹中氏は、辻元氏のほうを見ていた)。全員を正社員にしようとしたから、大変なことになったんですよ。
田原:竹中さんの言った4要件はこれですよ(注:フリップを取り出す)。4要件というのは、人員削減の必要性。解雇回避の努力。人選の合理性。解雇手続の妥当性。4つないといけない。
竹中:実はそれが判例なので、非常に不明確だというところに問題があるんです。だから、大企業のように、訴訟リスク・・・これやると訴訟をされると思うところは、なかなか解雇できない。
田原:そして本当に(訴訟に)負ける。
竹中:そうです。一方で、「うちなんかは訴訟されるわけがない」と思っている中小企業は、平気で正社員といえども解雇しているんですよ。だからそのルールをきちんと・・・。
森永:竹中さんの言っている事実認識がすごく違うのは、実はOECDが雇用者保護の厳格性を綿密に調査して比較しているんですよ。さっき竹中さんがオランダモデルにしろと言ったんですけど、正社員の雇用保護の厳格性は、日本よりもオランダのほうが圧倒的に高いんですよ。つまり、ものすごく厳しいんですよ。解雇には、地方労働委員会の許可が必要なのですよ。ほとんど認められない・・。
竹中:日本の場合、中小企業にそれが適用されていないからなんですよ。だから、厳しいルールも必要なんです。ただ、今はルールが明確ではないということが重要なんです。それを明確化しようと言ったら、「解雇自由化」という議論に歪められるんですよ。

 重要な欺瞞もあって、森永が指摘しているように、竹中が持ち出すオランダ・モデルは実は正規労働者だろうと、非正規労働者だろうと、同一労働であれば、賃金だけ同一にしろ、なのではなくて、社会保障もすべて同一にしろということなのである。良いところだけ取り上げて俎上に見せるという手段は誰もが執りそうだけれど、ここは非常に重要な部分だ。