南方のとんでもないところまで連れて行かれちゃってだよ、挙げ句に食糧は送ってこないから現地で調達しろっていわれてだよ、島全体は敵に制圧されていてさ、昼間は隠れていて、夜になってようやく動き出して、水を探しにいったり、喰えるものはないかと探し回った挙げ句に、気のあう奴以外からは離れて行動していたら、これはもう軍隊でもなければ、自分たちは兵隊でもないって奴だよ。
そんな状態で飢えさらばえて死んじまった人たちがだよ、靖国に入っているから、英雄で、どうも国を守ってくれてありがとうっていわれたってさ、無念に決まっているよ。
どうにかこうにか運良く帰ってくることができた人たちだってさ、運が尽きて、あんなところで死んでしまった人たちのことを、その辺でべらべら喋れるわけないだろう。俺は帰って来ちゃったけれど、死んじゃったあの連中を裏切ったことになるんだろうなぁと思ったら、そんなこと誰にもいえないだろう。
不思議なことに、勝った軍隊の連中も、戦地のことを語ろうとしない。それは死んでしまった仲間を思ったら、自分だけ生きて帰ってきてしまったという思いで一杯になることは想像できる。
だから、本当のことをどうにかしてつまびらかにして、こんなことが起きないようにしようと自分の国の中だけではなくて、世界中に発信していかなくちゃならない。
今政府がやっていることはまったく反対のことばかりだ。なぜそうなるのか。その方が儲かるからなんだよ。見誤ったらいけないのはココだよ。なにが「非国民」だよ。