ほぼ足りてまだ欲 その先

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歳をとると

 誰も彼も良い人になろうとしますね、歳をとると。ましてやつれあいに先に逝かれてしまって取り残されると驚くほどに替わります。とはいってもここでいっているのはふたりだけです。ひとりは作家の曾野綾子。彼女の旦那は三浦朱門といってやっぱり作家で元文化庁長官。昨年2月に91歳で死去。曾野綾子は介護日記を週刊現代に連載した。
 「女性を強姦するのは紳士として恥ずべきことだが、強姦する体力がないのは男として恥ずべきこと」「レイプ犯人が……貞操についてルーズな思想の持ち主を襲ってくれればよいのです」なんてことを平気で書いたり発言したような輩だけれど、それよりももっと私が忌み嫌っていたのは夫婦共に日本会議系の発言を繰り返し、レイシストそのものだったことだ。
 三浦朱門が死んだときに朝日新聞が訃報にこうした彼の発言を引用したら「月刊Hanada」の花田紀凱が「実に不愉快だ」と書いていたけれど、三浦朱門のスタンスをものの見事に表している彼の発言だから仕方ない。ま、要するに石原慎太郎系のむちゃくちゃ爺だった。
 で、その妻である曾野綾子は旦那の介護をするに至るまでに自己責任論を振り回してきたし、介護に必要な手を外国から連れてきても良いが永住は許さんとか、正にレイシストそのものの言論を振り回してきた。
 つまり日本会議夫婦だった。それが歳をとって人の手を借りなくてはならないことにふと気がついたというわけだ。曾野綾子はすっかり老老介護のベテラン気取りになっている。ようやくその歳になってわかったのは、それで良い。だったらこれまでの自分たちの発言を悔いるという姿勢を見せて欲しい。都合良く自分のスタンスを置き換えることは許しがたい。
 もうひとりは津川雅彦だ。彼は日本会議の広告塔じゃないかと思う発言を繰り返している。それがつれあいが死んだら、突然良い人気取りが見苦しい。