歩かないとなぁと思って家を出て、歩き始めたら、バス停に丁度待っていたかのように反対方向行きのバスが来たから乗った。足立区役所行きだった。これに乗っていくと北千住へ行くという選択肢があるなぁと思いながら乗っていたら、あ、そうだ、この前テレビで昔の東京球場のことをやっていたっけな、と思いだした。大毎オリオンズというチームで監督が濃人という不思議な名前だったっけなぁ。このチームは大映スターズと毎日オリオンズが合併して出来た球団で、永田ラッパと呼ばれた映画の大映の社長、永田雅一で有名だった。そういえば当時の映画会社は東映フライヤーズもあったくらいで、飛ぶ鳥を落としていたわけで、今でいえば、さしずめIT系企業ってことかな。このチームは最後は今の千葉ロッテマリーンズにつながるわけだ。全然儲からない球場だったらしくて、あっという間に閉鎖になった。当時の球場で今はもうないのは川崎球場(ブツとしては存在するのかな?)、大阪の難波球場や、西宮球場、駒沢球場、福岡の平和台球場、横浜にあった平和球場なんてのが思い浮かぶ。そういわれてみると、プロ野球本拠地ストーリーも結構波瀾万丈じゃないか。
東京球場の跡地は今は荒川区総合スポーツセンターになっているとテレビがいっていた。バスをどこで降りて良いのかわからないから南千住6丁目でボタンを押したら、行き過ぎだった。南千住警察の前を行くんだけれど、この通りは最近作られた通りじゃないのかなぁ、荒川区らしくない通りだ。なんせ台東区から荒川区に入ると裏道はどこへ向かって行くのかわからないのが面白いところなのだ。
角の蕎麦屋「おおもり」で入ろうかどうしようか逡巡していたら、向こうから来たお婆さん三人が入っていったので、ついつられて入った。すると、一瞬独特の匂いがしたんです、これ、どこかで匂ったことがあるぞ。あ、浅草駅の下の地下街で嗅いだことがある。やばいな、そうかといって出られないぞ、もう座っちゃったから。しょうがない、覚悟を決めたんだけれど、壁に貼ってあるメニューが取っても複雑でどうして良いのか良くわからんのよ。それでも入る前に「カツ丼セット」とか「天丼セット」なんてのが書いてあった。で、そのセットってのはどうなってんの?と伺ったら、蕎麦、うどんの暖かいの、冷たいの、もしくは中華そば、とセットに出来る、というんです。あぁ、ひょっとするとこの匂いは中華そばのスープかも知れない!冷たい蕎麦の天丼セットでお願いします!と発注。
出てきたのは実に私好みの蕎麦!あとから来た客で「蕎麦は固めにしてね」といっている人がいたのを見ると、私が好きな蕎麦はやっぱり柔から目に茹でられた蕎麦のようだ。立ち食いの蕎麦屋に行くとどこもかしこも「そば新」以外は硬くて、なんでこんな蕎麦を出すんだろうと思っているくらいだから、ここは私好み。で、天丼なんだけれど、薩摩芋、カボチャ、獅子唐、茄子、海老一本。ところがこの天ぷらが全部汁にどっぷり浸かっている。つまり、からっとした天ぷらとはほど遠いけれど、私が大好きなベタベタ感。ところが、ご飯があきません。べちゃべちゃ。よせよ、お粥じゃねぇんだから!でもこれで850円は嬉しい。荒川ならではじゃない!?入り口に置いてある白馬の人形と、むかしの軍人が乗っている馬の人形はいったい何だ?
瑞光小学校の脇をぐるっと回って曲がりくねりながら、南へ向かっていくと、ジョイフル三ノ輪に合流した。昔よりも閉まっている店が増えていると思うけれど、総菜屋が増えている。大きな牡蠣フライを一個150円で売っていた。買いたかったなぁ。古本やに入ったら、なんだか中身が変わっていて、鉄道系の雑誌がぎっしりの割に、本棚はまだガラガラだ。でれでれ見ていたら、文庫版じゃないけれど表紙カバーもなくってこんな本を50円で売っていた。赤瀬川源平だもの、抑えておかないと。それにしても新明解国語辞典って、こんなに面白かったのか!?知らなかった・・・!
- 作者: 赤瀬川原平
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