ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

逢った人

 表参道の地下鉄の駅へ階段を降りていると、白人のお婆さんが、一歩ずつ足を送って下っていく。NYCの地下鉄のモビライゼーションもひどいが日本の地下鉄も同じ様だ。どこかにエスカレーターも、エレベーターもあるんだけれど、それは利用慣れていない人には全くわからない。よいしょと降りたら、そこに改札口があってそれはエレベーター専門。そのお婆さんがその改札横にいたメトロの若い職員に何ごとか聞いている。ところがその職員はただひとこと「渋谷」といっただけだ。それも普通の日本人が普通の速度でいう「しぶや」だ。これをお婆さんがわかっていない。私が「Where are you going?」とおたずねすると、その職員はなんと私に向かって「わかってますから行って下さい!」といい放った。なんだ、こいつ!自分はただ「しぶや!」といい放っただけだぜ。
 下手な英語しか話せないお婆さんに続けてどこへ行くのかと聞くと、このお婆さん、なんと「きよと!」といった。京都へ行くのに、ここからどうやっていくのかと聞いているのだ!これには驚いた。京橋まで銀座線で行く方法もあるなぁ、しかし、彼女は「切符を持っている」というんだからJRに乗るべきなんだろう。銀座線で渋谷に出てJRに乗りなさいとすすめたが、彼女は無謀だぞ。それにしてもこのメトロの社員の態度はどうよ!これで観光都市とは恐れ入っちゃうね。
f:id:nsw2072:20190305172550j:plain:w360:left 本屋を覗こうと銀座に出たが、腹が減ったから有楽町のガード下の「はないち」で蕎麦でもたぐるかと食券を買うと、なかは満席だ。すると外国人とおぼしき若い店員が外でも良いか、というから「おうともよ!」と答えて隣のかつては居酒屋だったところを「はないち」が借りてやっぱり居酒屋にしている店とのあいだのオープン席(といえば格好良いけど)に座る。斜め前に40代とおぼしき女性が座っている。彼女は自分で水をコップに注ぎながら、私にも水を入れてくれた。「イヤ、これは恐縮です、ありがとう!」と嬉しくなった。彼女は春菊天蕎麦をたぐっている。私はおろし冷やし蕎麦を食べた。450円。彼女が先に食べ終わって立とうとしたから「わざわざありがとうございます!」と告げると彼女はニコッとして「さよなら」といって去って行った。さわやかだったなぁ!一挙にメトロ事件を忘れたぞ。単純な爺だ。