ほぼ足りてまだ欲 その先

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性暴力

 2017年の聖路加国際病院でチャプレンの男が患者に性的ハラスメントを強いたという事件で、一審判決が出て、「判決は、牧師の行為を性暴力だと認めたうえで病院の使用者責任も認定し、牧師と病院に110万円の支払いを命じた。(朝日新聞)」
 この男は名前も年齢も公表されていない。40代のチャプレンだといわれていた。そして病院側の対応は極めて不可解で、今回の判決についても「判決文を入手していないからコメントできない」というもので、あの日野原先生がかつて名誉院長をしていた病院とは思えない対応だといってよい。そもそも、この事件が判明したときから病院は前向きに対処してきたかといえば、にわかには認めがたい。
 組織的にいえば、聖路加病院は2014年から聖路加国際大学の病院ということになった。それに伴い、病院のチャペルも大学のチャペルということになった。で、問題の性暴力牧師だが、大学に所属する牧師であって、旧館にそのままある聖路加国際大学聖ルカ礼拝堂の牧師ではない。これがよくわからない。書いた物では、この事件に関する説明がされた記憶はなくて、あの事件判明の頃にも具体的に話を聞いた記憶はないが、あの牧師は少なくとも礼拝堂で日頃信徒に接している牧師ではないことは確かである。そんな牧師を見たことすらない。だいたい40代の日本人牧師なんていない。一説にはどこかのプロテスタントの教会から派遣されてきた牧師だというが、それでまったく大学附属の礼拝堂に全く関係がなくて、見たこともない牧師の存在ってのが全然理解ができない。
 あの日野原先生でとても良く知られた聖路加国際大学、及び病院がなぜ、この事件に対してより積極的に自ら解明しようとしてこないのかが理解できない。それでなくても、米国や豪州、英国で聖職者によるセクシャル・ハラスメントが暴露されることがあって、イメージが表・裏反する事があり、これをまたそのまま聖路加大学がほうかむりをするようであれば、問題が大きくなってもおかしくない。
 クリスマス・イブにこの判決が報じられた点でもなにか大きく捉えてもいいんじゃないかという気になる。
 聖路加国際大病院がとても良い施設で、レベルの高い医療を提供できているのだろうけれど、全ての病室が差額ベッドだっていうし、レジデンスなる老人賃貸マンションなんぞ宝くじ当たったくらいじゃ入れないような施設らしい。だから一度も掛かったことなんてない。私の周りでもこの病院をかかりつけにしているなんてのがいるけれど、みんな自営業だ。サラリーマンには縁はない。これが聖公会の関係する病院なのかと思うとどうしても納得できかねる。大学、病院は誠意ある対応をするべきだ。

柴田実牧師。所属する聖路加国際大学キリスト教センターのHPによると同氏は関西学院大学大学院神学研究科博士前期課程修了。聖路加国際大学臨床牧会教育(Clinical Pastoral Education)修了、日本スピリチュアルケア学会(日野原重明理事長)認定指導臨床会員という経歴だ。また横浜精霊キリスト教会(港北区綱島西2)の副牧師( 2018年9月28日 | 投稿者: 三品純)

キリスト教新聞 2022年12月24日

 牧師は病院の第三者委員会の調査で性的接触を否定していたが、民事裁判の過程で行為自体を認めた上で、「女性が自らの意思でマッサージをした」「黙示に同意していた」と主張。桃崎裁判長は、女性が直後に性暴力救援センターや弁護士らに「セクハラで、逃げたい」「体力的にも無理」などと相談していることから、「同意はなかった」と判断し、「原告の意に反して性的自由を侵害した」と指摘。チャプレンとして牧師を雇用した病院にも使用者責任を認めた。

 判決後、「聖路加国際病院チャプレンによる性暴力被害者を支援する会」主催による報告集会では、牧師のA氏が所属していた日本基督教団神奈川教区から教区議長の古谷正仁(まさよし)氏(日本基督教団蒔田教会牧師)=写真右=が出席。原告女性からの訴えを受けた段階で、判決結果を待たずに応対すべきだったことを認め、牧師の処遇をめぐっては改めて双方への聞き取りを行うと報告し、「教区が設けたハラスメント防止に関する規定が看板倒れにならないよう、今回の件を真摯に受け止めて取り組んでいきたい」と決意を述べた。

 また、聖路加国際大学と深い関わりのある日本聖公会管区事務所からは、総主事の矢萩新一氏がオンラインで参加し、東京教区主教を交えた原告女性との面談を経て、具体的な対応を検討中であることを報告。「係争中であることや組織的な限界などを理由に調査・判断することが難しい」としてきたことを謝罪し、「意識改革と再発防止」を誓う武藤謙一首座主教と高橋宏幸東京教区主教の連名によるメッセージを読み上げた。

 日本聖公会首座主教、東京教区主教によるメッセージの全文は以下の通り。

 このたび、日本聖公会の関連する聖路加国際病院と元チャプレンに対して起こされた⺠事訴訟について、損害賠償請求の一部を認める判断がなされましたが、日本聖公会および日本聖公会東京教区として、これに至るまで(原告の名)の声と痛みに十分に寄り添うことができずにきたことを謝罪いたします。

 私どもはこれまで、(原告の名)さんからの声に対して、係争中であることや組織的な限界などを理由に調査・判断することが難しいとお伝えしてまいりました。

 今後は、痛みを訴える方の声を真摯に受けとめ、教会のみならず関連施設においても誰もが安全に過ごせる場所となるよう、法人・組織の枠を超えて取り組みを進めてまいる所存です。ことに病院をはじめ関連諸施設チャプレンの重要性を改めて認識し、意識改革と再発防止に努めてまいります。

2022年12月23日

日本聖公会 首座主教 主教 武藤謙一
日本聖公会 東京教区主教 主教 髙橋宏幸

資料の存在をご紹介くださったわが友人に感謝。