ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

その1

 明け方にふと眼が覚めたので、イヤフォンを耳に突っ込んでTBSのテレビの音声だけを聞いた。落語だった。歌丸が死ぬ前の話を枕に振っていて「うちの協会」といっていたから芸術協会の噺家らしかった。しかし、あんまり聞き慣れない声だった。その歌丸の話は何かを頼みに行ったんで畳に座って頭を下げたんだけれど、歌丸が「話はわかったから、そこからどいてくれ」といったので、何だと思ったら酸素のビニールの管を踏みつけていた、というんだ。どこかで聞いたような設定だし、ついこの前死んだ歌丸を枕にふることの「いやらしさ」というか「汚さ」が嫌だった。噺はどうやら浮世床なんだけれど、なにか汚らしい。すぐさま切ってそのまま寝てしまった。
 カラスカァで夜が明けて、一体誰だったんだろうと、番組表を検索したら、それが小痴楽だった。私は彼を嫌いで殆ど噺を聞いたことがなかったから、わからなかった。噺を聞いたことが殆どないのに、なんで嫌いなのか。見るからに俺は売れてんだ風を吹かせるからだ。