
帰りのバスで私の眼の前に座ったおじいさんが、ポケットからたいして役にも立たないウレタンマスクを取り出してかけようとしている。よくよく見たら、この人、メガネを2つ二重にかけている。ひとつは派手な、東大の野球部のようなスカイブルーの縁で、その上からサングラスと思しき色付きの大きなレンズのメガネを掛けている。紫外線よけかも知れない。それだけじゃなくて、ヘッドフォンを被っている。で、その上から毛糸の正ちゃん帽を被っているのである。そんな複雑な状態でマスクを掛けるのである。どれだけ、耳たぶをいじめているのか。
不忍池はますます秋の色を深めてきた。水鳥がドンドンやってくる。しかし、その多くはキンクロハジロとカモメである。時々変わったやつがやってくるが、カワセミはあれっきりだ。
