ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

40年

 私が初めて大学を卒業してから今年でもう40年が経つ。なんにも大学で学ぼうとせず、ノホホンと卒業して、ノホホンと社会に出たのだった。なんだかあの頃からすべての事柄に対して、自分で決めた人生でないという状況に身を置こうとしてきたような気がする。
 だから、どんな状況になっても覚悟が決まっていたのかといえば、そんなに立派なことではない。一種の諦めがあったような気がするのだけれど、それは世の中に許容量があったからなのではなかったかと思う。そういう点では今の若い人たちは本当に気の毒だというしかない。今は社会の成り立ちにもうそんな許容量なんてものがこれっぱかりも存在しないからだ。
 世の技術がデジタル化されたことによってそれまでの労働と、その後の労働に大きな違いができてきてしまった。しかし、それでもやっぱりひとつひとつのものを創り上げるのには人が頭をひねって考える、という作業は不可欠だ。しかし、それがそこまで苦労して積み上げてきたものを瞬時に丸写しができるようになったことが大きいだろう。一から自分で積み上げることがある種の修行になっていたのに、そんな愚直な時間と労力は割かずにある程度高い時点から先をやっていけばいい。これは相当に違う。
 当時は私のような企業の寄生虫のような存在でも、多少の役割を果たすことができていた。しかし、今はそんな存在は全く許されないし、そんな存在は悪だ。あっちゃならない。その点でも今の若い人は気の毒極まりない。
 そんなだったからたまたま自分の役割を自分で主張してみたら、とんでもない状況になってしまって自分で呆れたくらいだった。
 その40年前に卒業した大学の同期会に出掛けようとしている。多分、こういう集まりに出席できるのはこれが最後かも知れないという気持ちもある。次の十年間で少なからぬ数の同期生はいなくなってしまうことが考えられるということもある。もちろん自分自身を含めてだけれど。