ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

糞案件ばかり

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 とても下品なタイトルで甚だ恐縮でございますが、ここまでの7年8ヶ月をざっと振り返ってみて、思った感想なのだ。というのは、彼が国会の主に予算委員会で、啖呵を切ったり、言い張ったり、ご飯論法できちんと対応しないで逃げ回った多くの汚らしい事柄が、実にお恥ずかしいような独りよがりなものばかりだからだ。
 例えば、サクラを見る会を取り上げてみよう。これは前夜祭のパーティーで参加者から費用の半分にも満たないような金額を徴収して酒肴を提供したパーティーから始まっている。つまり、参加費用と同じような額の金を参加者に彼が提供したことになる。参加者のほとんどが自分の選挙区の有権者なのだから、これはものの見事な公職選挙法の違反であって、前経産大臣の菅原一秀が選挙区の有権者にメロンを配ったのと全く変わりはない。しかし、彼はそれをなんといって言い逃れようとしてきたか。主催者は彼の事務所ではないのだ、といっている。おもわず「はぁ〜?」と聞き返す論理だ。ホテルが、参加者ひとりひとりと個別の契約をその金額で結んだので、ホテルが領収書を発行しているという。「ん?」よくわからん。つまり、彼の事務所はホテルが行う参加費徴収を代理して行ったに過ぎないという。誰が聞いたって思わず大笑いをして「そんなバカなことがあるか!」と一笑に付すような論理である。しかし、彼はそれを大まじめに主張する。ホテルにとっては大変に面倒くさいことを請け負ったことになる。実際にそうでないとしても、これから先ホテルは彼のためにその論理を押し通していかなくてはならない。野党は自分たちのパーティーをこの方式でホテルに要求したらいい。
 問題なのは検察だ。この論理を認めている。認めているから彼の事務所を公職選挙法で捜査していない。そりゃもちろん、黒川を無理矢理検事総長に持ち上げようとしたくらいだから、検察の首根っこを何らかの方法で押さえつけているということになる。
 しかし、もはや黒川はいない。いないが、これまで黙ってきた検察は、面子にかけても、これからこれを問題化することには抵抗を示す。「はい、黒川もいなくなりましたし、彼も首相じゃなくなったんで、手を出します」という程彼等は柔軟性を備えてはいない。

 森友学園の土地取得で8億円の値引きをした。
 あの夫婦が経営していた幼稚園は実に胡散臭かった。園児が一斉に大きな声で教育勅語を唱えた。こんなバカなことを知恵も考えも備わっていない子どもに有無を言わせず暗唱させた。正に、あの侵略戦争を肯定して天皇のために命を捨てるために私たちは生まれてきました教育そのものだった。こんなバカげた連中がいるのかとものすごく腹が立ったのを覚えている。ところがそこにやってきた彼の妻が「感涙にむせんだ」と感想を伝えた。挙げ句に経営する夫婦が創設しようとしていた「瑞穂の國記念小學院」の名誉校長に就任するとしていた。つまり両方の夫婦はもうずぶずぶの関係だった。その関係を予算委員会で指摘されたときに彼はなんと反応したか?「籠池さんですか?その方を良くは知りませんが」ととぼけた。
 彼にしてみれば、値引き額はたかだか「8億円じゃないか」という気持ちがあったのかもしれない。それは私にはわからないけれど、ODAと称して経済界首脳と呼ばれる経営者連中を引き連れて外国へ出かけ、兆のつく金額をぽいぽい投げてきたことから考えれば8億円なんて、微々たるものだろう。ODAは日本の企業が仕事を受けて回収し、そこから幾ばくかがどこかを経由して環流してくるということは日常茶飯事で、常識だといって良い。知らないのは一般庶民だけだ。
 つまり、この国有地売買だって、自分の選挙区の有権者に、他の有権者には内緒で、保育園や特別養護老人ホームにさっさと利用特権を与える行為と何ら変わらない。ゴミが思いっきり埋まっていたんで、その回収にかかる費用を値引きしたと説明されているけれど、じゃ、国有地に戻っているあの建物敷地をその証に掘ってみたら言い訳だが、近畿財務局を抱える財務省はやらない。職員のひとりくらいが自殺したくらい、彼等はどうとも思っちゃいない。特養の理事長が不正な優先利用を苦にして自殺したとしたらどうするか。知らん顔で終わる。佐川某の国会予算委員会での答弁は全く不思議なものだった。「訴追される怖れ」があるからといって答えなかったけれど、訴追はされていない。ここでも問題は検察だ。なんもしていない。

 加計学園に至っては、自分の友達に、あたかも商売もののメロンをただで10個やったくらいにしか思っていないだろう。
 
 こうした事件は検察が日頃の仕事を真面目にやってきたら、すぐさま起訴になって終わっているはずの、実に見え見えで稚拙な犯罪ばかりだ。これにくらべたら、五反田の元料亭の跡地を本当の所有者の知らない間に売り飛ばした連中の方がなんぼかハリウッドの映画になりそうなシナリオだ。
 それにしても、これらを捜査せずに、つまり仕事をしないままやってきた検察を黒川がそれを取り仕切っていたとしても、では、なぜ黒川の検事総長への論功行賞就任が実現しなかったのだろうか。これまでの流れでいったら、それこそそんなものはどうにでもできたはずではないのか。
 それはやっぱりマスコミの力によるところが大きいのではなかったのか。現在のマスコミのほとんど、新聞もテレビも、電通の仕切りで彼と直接会合を持つことによって影響力を及ぼしてきたのに、なぜ検事総長案件だけが実現しなかったのか。
 ひょっとすると週刊文春の力によるのか?だったら、なぜ電通週刊文春をコントロールできなかったのか。週刊文春電通と取引がないとは考えにくい。ここがわからない。

 糞案件をこんなに語らなくたって良さそうなもんだが、この国はこんな程度になっちまったんだよな。次のステージは「明日のアルゼンチン」である。