- 業病のALSに侵され自殺のための身動きも出来ぬ女性が尊厳死を願って相談した二人の医師が薬を与え手助けした事で「殺害」容疑で起訴された。武士道の切腹の際の苦しみを救うための介錯の美徳も知らぬ検察の愚かしさに腹が立つ。裁判の折り私は是非とも医師たちの弁護人として法廷に立ちたい。（7月27日）
- 先に難病のALS患者の死を幇助した医師たちの行為を『殺害』容疑で逮捕した警察への批判の際、ALSを難病とせず業病と記したのは偏見によるものでは決してなく、作家ながら私の不明の至りで誤解を生じた方々に謝罪いたします。（7月31日）
石原慎太郎という男はもともと大変に卑怯な男ではあるのだけれど、そんな男を4期14年間にもわたって東京都知事に置いていた東京都民の恐るべきいい加減さに私は腹を立てたものだが、その後の都知事の面子を見ても、東京都民はお恥ずかしい限りである。今の緑のおばさんが2期目を努めて自慢顔なのも宜なるかなである。
上のツイートにしたって今の日本では完全なる犯罪であって、検察は、ここは珍しく全く問題なく、仕事を果たしているのであって、検察の愚かしさを指摘するのであれば、当然黒川の問題であり、サクラを見る会であり、数々の収賄事件であり、公職選挙法違反であり・・・全部書くわけにはいかないか・・・なによりもやつの不正な東ガス跡地の取得問題をきちんとやるべきである。あの二人の医者が弁護に石原慎太郎に頼んだら面白いんじゃないだろうか。奴は自分のぼろを出すだろう。
しかも、謝罪のツイートに至っては、「誤解を生じた方々」といっているが誰も誤解なんてしちゃあいない。ちゃんと彼が言ったことをその通りに理解し、こいつは筋萎縮性側索硬化症を前世の祟りでこうなったんだというような解釈をするような人非人なんだと理解し、それはこれまでの彼の行動を見ていても、なんの不思議も感じなかった。そういうことを平気でいいそうな男だと理解できた。これは誤解でも何でもない。
この事件をきっかけに日本でも安楽死を議論する良い機会になったとする輩もいるようだけれど、私は昔から太田某の安楽死協会じゃないが、その裏に常に優生保護思想が見え隠れすることを問題にしてきた。いくら名前を「尊厳死」と買えても彼等の考えにはその思想が滲んでいる。
どんな状態であっても、命を終わらせることによって本人を助けるという考えは非常に傲慢な思想である。本人が苦しい、痛い、我慢ができないから、殺してくれ、といったとして、その死の間際に、あ、それでもやっぱり生きていたいと思い直すかも知れないし、それを赤の他人が無視していい理屈はどこにもない。まだまだ、この国では、議論ができているとはいえない。もっともこの国では、なんでもそうで、「議論」というものを訓練されていないから、それが深まることはほとんどない。安楽死が法で許されているオランダでどれほどの議論があったかを調べてみても良いのではないかという気がする。
石原慎太郎という浅薄な人間の投げ捨てるような発言には、これまでもさんざんイヤな思いをしてきた。しかも彼の発言は口汚いし、品がない。最近、曾野綾子と座談本を出したそうだ。正に絶妙なカップリングで、（私は手にも取らないが）編集者はやはりたいしたもんだ。どちらも若い時には言いたい放題で来たが、この歳になってみると、「老醜」を晒す。曾野綾子のつれあいをなくしてからというもの振る旗を変えた変身ぶりには大いに呆れたのである。
