ほぼ足りてまだ欲 その先

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建設業 派遣労働

 2006年3月1日から施行された労働者派遣法の改悪により、(経団連、お待ちどう様!) 製造業に労働者を派遣することができるようになってしまったけれど、それでも、(強調の反復)それでも、建設業務、警備業務、港湾業務、および医療業務(2006年3月1日より、社会福祉施設関係の紹介予定派遣のみ可能になる)に人材を派遣することはできないのだということをまず頭に蘇らせておいて次の記事を読んでみる。

建設通信新聞 2007年8月16日付
災害防止さらに強化/1-7月建設死傷災害861件/東京労働局,建災防
 東京都内の労働災害が大幅に増加している。このため、東京労働局は建設業労働災害防止協会東京支部と連携をとり、9月に労働災害防止に向けた対策を講じる考えでいる。同局と建災防東京支部はことし5月に都内の建設業元請企業の経営首脳および安全衛生管理責任者に呼びかけ、「建設業における『墜落・転落による死亡災害』防止のための講習会」を開き、墜落・転落による死亡災害防止の徹底を要請しており、今回はさらに強い姿勢で、災害防止を徹底することになる。
 同局がまとめた2007年1月から7月までの死傷災害発生状況(速報値)によると、全産業で4401件となっている。前年同期比で1.3%増、件数で55件増えている。業種別では建設業が最も多く全体の約2割を占める861件発生、前年同期より7.9%、63件も増えている。
 建設業の死傷災害の増加は、建築工事業での増加によるもので、前年同期の526件から620件と100件近く増加した。土木工事業は20件減の142件、木造家屋建築業が10件減の71件、その他の建設業は11件減の99件となっている。
 事故の型別でみると、墜落・転落が297件と最も多く、全体の34.5%を占める。次いではさまれ・巻き込まれが100件、転倒が93件など。
 また、死亡災害の発生状況は8月8日現在、全産業で46件と前年同期より3件増えている。建設産業は1件減の19件だが、建築工事業は3件増の15件で死亡災害の約8割を占める。土木工事業は3件減り2件となっている。公共事業の削減で土木工事は減少し、建築工事は民間の設備投資が旺盛なことから工事量が増加していることが、死傷災害の発生状況にも現れているといえそうだ。
派遣社員の労災も増加
 現場の施工管理を派遣労働者に任せるケースが増加し、派遣労働者労働災害が増加にあるという。労働災害が発生した場合に労働基準監督署に提出する労働者死傷病報告書によるもので今後、東京労働局では正確な実態を把握する考えでいる。災害の要因は、開口部からの転落や昇降設備があるのに使わなかったといった管理者自らが近道行動によるものだという。元請企業から十分な説明を受けていないのではないかという指摘もある。また、被災者の年齢も30歳代から60歳代までと経験年数との関係はないようだ。

 建設業界の業界新聞であるが今年の1-7月の全産業に於ける死傷災害が4401件で、そのうち2割が建設業で、前年よりも8%増えていることがわかる。
この記事には突っ込みどころが満載で、お盆の埋め草に書いたのかも知れないが、驚くようなことをさらっと流して書いている。

  • 現場の施工管理を、建設業務への派遣が禁じられている派遣労働者に任せることがあるらしい。
  • 東京労働局はこれまで実態を把握すらしていないらしい。
  • 元請け企業は、禁じられている派遣労働者に十分説明をしていないらしい。
  • 禁じられている派遣労働者の年齢層は30代から60代まで拡がっているらしい。

 どうもこの新聞記事から見ると、建設業界では、禁じられているはずの「派遣労働者」はごく当たり前のように使われていて、それが増えてきているものだから派遣労働者の労災が増加している、ということに読める。
 私は自分が派遣労働をしている訳ではないので、実態がわからないけれど、外国人の「研修」「実習」と同じように、法令上はどんな具合になっていても、現場はどんどんやらずぶったくりで、実行されてしまっている、ということなのかも知れない。「白い恋人」も「なんとかミート」もみんな内部告発から始まっているらしい。きちんと法を遵守する企業なんて存在していないのかも知れないなぁ・・。とにかく自分が儲かれば何でもあり、だと思っているんだろうね。