ほぼ足りてまだ欲 その先

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驚愕の選挙

 IWJの岩上安身がこう書いている。

(今回の選挙での自民党の)得票率をみてみると、今回は小選挙区で43.01%(前回38.68%)、比例区で27.66%(前回26.73%)と、大敗した前回の衆院選から、小選挙区で4%、比例区で1%程度しか伸びていない。全有権者に占める自民党得票率の割合は、小選挙区で24.67%、つまり有権者の4分の1程度であり、さらに比例区ではなんと15.99%にとどまる。つまり、「自民党」と党名を書いた投票者は、全有権者のうち1割強しかいない

 驚愕の事実ではないか。これだけの議席数を稼げてしまう現況の選挙システムなんだからしょうがないといえばしょうがないのだけれど、これでは正しい民主主義システムとはいえないということは明らかだ。6割弱の有権者しか投票に行かないのが悪いといえば悪いのだけれど、彼らの行動そのものも選挙行動だということにしてしまえばそれはそれで主張といえるのかも知れないけれど、それをいったら現行の選挙システムを構築した自民党の深慮遠謀の勝利だということだ。
 これはあたかも原子力発電所の建設で電気料金を稼いできた電力業界が「絶対安全神話」を構築しながら、実はそのウラでもしもの時の賠償をできるだけ彼らに有利なように手を打ってきていたことを思い出させる。
 つまり、この選挙システムを巧く使って政権を奪取した民主党だったけれど、正にそのシステムの罠にはまったといっても良い。尤もあれだけのマニフェストを掲げて打って出たくせにそのマニフェストをすべて裏切った政権党はもうすでに信頼を失っていた。
 しかし、これが何を意味しているのかといったら、事態はより深刻である。民主党が約束を破ったということだけを意味するのではないからだ。結果として自民党と同じ主張に終わったのは、霞ヶ関支配下に置くことができなかった、ということになるからだ。ということはこの国の政治を司っているのは自民党でもなければ民主党でもなく、霞ヶ関であり、どんな選挙をやってもこの国の方向性は同じで、対米従属が基礎にある政治、ということになりはしないのだろうか。
 猿でもするといわれている反省をすることのできない人類は同じ過ちを何度でも繰り返す。